小学校「外国語」の課題を考える(4)指導案を作る際の6つのポイント

eye-catch_1024-768_watanabe_fin国立教育政策研究所名誉所員 渡邉 寛治


学習指導案は、準備する活動から子供の育みが見える内容を示すべきだ。「外国語活動」および「外国語」の場合、児童のコミュニケーション力(資質・能力)の育みが見える指導案を作成しよう。留意点を次に示す。

(1)単元の目標を設定。目標は児童のコミュニケーション力の育成に関わる文言で示す。例えば「~について尋ねたり答えたりする」「~を積極的に伝えようとする」など。その際「~ができる」とはしない。単元レベルの授業時数では、全児童ができるとは限らない。「できる」と設定したいなら2カ年間または4カ年間の目標とする。音読や書写は比較的早い時期にできるようになるが、コミュニケーション力は簡単には身に付かない。

(2)単元毎に「コミュニケーションにおける言語の働き」を明記。「言語の働き」とは次のような機能をいう。(ア)コミュニケーションを円滑にする(あいさつをする、聞き直すなど)。(イ)気持ちを伝える(礼を言う、褒めるなど)。(ウ)考えや意図を伝える(意見を言う、申し出るなど)。(エ)事実・情報を伝える(発表する、説明するなど)。(オ)相手の行動を促す(質問する、依頼するなど)。言語の働きを軸に、児童の主体性(自分で思考、判断、表現・行動すること)を重視した活動を計画する。

(3)単元の「評価規準(児童の変容ぶりを見取る規準)」を設定。単元のコミュニケーション活動を通して児童が変容していく姿を可視性のある文言で評価する。「将来の夢」活動の場合、目標は、将来の夢について伝え合う(思考・判断・表現力の育成)。評価規準は「友だちと将来の夢について尋ねたり答えたりしている」などと設定。「目標に準拠した指導と評価の一体化」を重視する。

(4)上記3点を明記した後に「言語材料」を選択。最初に言語材料を準備すると言語の学習になりがちなので注意。コミュニケーション力を養う教育では「言葉はコミュニケーションの手段であり、言語材料の定着が狙いではない」ことを深く認識すべきである。

(5)コミュニケーション力を身に付けるには「目的、場面、状況」などを意識した活動案を設定するが、必ず「対話のやり取り」活動を設定。児童に「やり取り」を体験させないとコミュニケーションを図る資質・能力の素地・基礎は培われない。

(6)高学年の「音読と書写」活動は本流ではない。その読み書きは学習指導要領でも示しているように、音声で十分に慣れ親しんだ後に行う。