未来カルテで見つめる2040年の日本(8)未来ワークショップの進め方③

eye-catch_1024-768_kurasaka_fin千葉大学教授 倉阪 秀史

政策提言をどう作っていく

未来カルテの情報などを伝えた後は、政策提言を考えるフェーズに入る。この際、いきなり政策提言を求めるのではなく、段階を踏んで検討を進めていく必要がある。

未来ワークショップでは、まず、7分間で前回説明した「作業帖(ちょう)」を見ながら、2040年の未来市長が直面すると考えられる課題を書き出す作業を行う。課題1つにつき、1枚の付せん紙(7・5センチ×5センチ)を使う。その際、名前を書く必要はないこと、他の人にも読んでもらえるように丁寧に書くことを伝える。話が苦手な者も参加できるように、書き出す作業は個人で行い、会話を禁止する。ブレーンストーミングの▽質よりも量▽とっぴな意見歓迎▽批判厳禁▽結合させて考える――の4原則を参加者に伝える。

個人作業の後、15分程度をかけて、模造紙の左半分に課題を広げていく。最初に誰かが課題を書いた付せん紙を1枚出して、似た課題を書いた人が最初の付せん紙の近くに貼っていく。この作業を時計回りに繰り返せば、次第に似た課題が集まっていく。この段階で他人の意見を見て思い付いたものがあれば、追加して構わない。

未来ワークショップでの政策提言の検討(やちよ未来ワークショップ)
未来ワークショップでの政策提言の検討(やちよ未来ワークショップ)

この後、別のテーブルに移動し、さらに課題内容を充実させる。移動先のテーブルをあらかじめ決めておくとスムーズである。筆記用具と付せん紙を持って移動するように指示し、簡単な自己紹介の時間を設けてから、元の班に残った人(ホスト)が、簡単に各班で出されている課題を説明する。移動してきた人(ゲスト)は、自分の班で出されていなかった課題があれば、付せん紙に書き取る。12分程度の活動後、元の班に戻る。課題の漏れが少なくなった段階で、似た課題ごとにマーカーで囲い、囲まれた課題群に名前を書き込む作業を行う。

次に、完成した模造紙の左半分を眺めながら、個人作業の時間を10分取り、付せん紙に未来市長から今の市長への提言項目を書き出す。政策検討の段階では、他の班に移動しない。書き出した付せん紙を模造紙の右半分に展開し、似た提言ごとにマーカーで囲む作業までを各班で進める。各班での政策提言が完成した段階で、参加者に1人2枚ないし3枚のシール(「いいねシール」)を渡し、他の班の気に入った政策提言に貼ってもらう。

このような過程を経て完成した政策提言について、各班内での一押しの政策提言と「いいねシール」をたくさんもらった政策提言をピックアップして、今の市長に対して発表してもらうのである。