小学校「外国語」の課題を考える(7)「外国語」では何を評価

eye-catch_1024-768_watanabe_fin国立教育政策研究所名誉所員 渡邉 寛治

「外国語」では、何を評価すべきか。通常、評価は目標と整合性を図る。目標は「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞く・話す・読む・書くことの4言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成」である。学習指導要領ではこの理念は三つの柱として提示。究極は基礎となる資質・能力の育成にある。その資質・能力の育みを評価する。

「外国語」における三つの柱とは、(1)知識および技能:英語の特徴やきまりに関する事項(2)思考力、判断力、表現力等:情報を整理しながら考えなどを形成し、英語で表現したり、伝え合ったりすることに関する事項(3)先の(1)(2)の一体的な育成過程を通して、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度の育成――である。

(1)について、外国語の音声や文字、語彙(ごい)、表現、文構造などの「言語材料」は4言語活動と効果的に関連付け、実際のコミュニケーションで活用できるようにする。この言語材料の知識について、直山木綿子氏(文科省教科調査官)は『指導と評価』(2018年3月号)で「外国語の学習においては、語彙や文法等の個別の知識がどれだけ身に付いたかに主眼を置くわけではなく……」と明示している。

その論からすると18年の私立中学入試の英語で、文法の知識のみを問うた出題は理解に苦しむ。英検の2次面接で「なぜ」の質問に対して受験者が己の考えを述べる問いは、受験者の「主体性」重視を前提に「思考・判断・表現」の諸能力を見取る問題であり、学習指導要領の目標に添った評価の考え方である。

(2)は、コミュニケーション能力の育成である。意味のある課題と言語活動を設定し、コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて考えなどを形成、整理、再構築してコミュニケーションを図る能力の基礎を養う。コミュニケーション能力を育成する上では「核」となる。この能力の評価法は、「発表や対話のやり取り」活動を通して児童が考えなどを伝え合う様子をコミュニケーション力の観点から見取る。「好きな教科は」活動の場合、目標の「好きな教科について分かりやすく答える」に対して、評価規準の「好きな教科の質問に対して、理由を添えて答えている」を用いて、児童の「論理的思考・判断・表現の諸能力および積極性等の資質の育み」を客観的に見取る。4年間のコミュニケーション活動を通し「何ができるようになるのか」を2つ目の柱を軸に評定する。このコミュニケーション力(資質・能力)の評価および評定の在り方と方法について研究する必要がある。(おわり)