学校の働き方改革の実現と職員・専門スタッフへの期待(2)学校の「働き方」の現状と教員の意識

eye-catch_1024-768_katou_finR茨城大学教職大学院准教授 加藤 崇英

文科省は、2016年度の教員勤務実態調査の集計についての速報値(18年4月)を公表しました。前回の06年度における教員勤務実態調査と比較し、平日と土日ともに、いずれの職種でも勤務時間が増加したことが指摘されました。中教審では、「学校における働き方改革特別部会」を設置し、「学校における働き方改革に係る緊急提言」(17年8月)を行うなど、議論が進められました。文科省は「学校における働き方改革に関する緊急対策について」(17年12月26日)を示しました。

これら一連の提言などにはかなり具体的な内容が示されています。その意味でいえば「働き方改革」に関連する、これまでの政策や研究、あるいは私も関わってきたような学校における業務改善や「チーム学校」の議論なども踏まえれば、実は具体的な課題はある程度出そろっているといえます。

それらはマネジメントの課題であると考えています。学校には、課題の解決という成果を一つ一つ積み上げていくことが求められていると考えます。どちらかといえば「働き方改革」が主眼とする勤務時間の適正化や長時間労働の是正という、「時間」を巡る問題をすぐに解決するような抜本的なものであるとは言いにくいかも知れません。

教員の意識はどうでしょうか。私はこれまで、学校の業務改善や学校経営に関する各種調査に関わってきていますが、そこで感じるのは、教員の多くが現在の「働き方」を変えられるとはあまり思っていない点です。今の「働き方」を変えることが、自分たちのメリットだとあまり思っていない。そもそも「働き方」を変えることができるのは自分たちだとは思っていない、ということです。

端的にいえば、教員自身がなかなか当事者性を持ち得ないのが、学校の「働き方改革」だと指摘できます。つまり学校の「働き方改革」を実現する第一の関門は、教員が当事者性をなかなか持ち得ないこの課題に、いかに当事者性を持ってもらい、なおかつ教育の成果を上げていく取り組みと並行して実践的に取り組む協力が得られるかだといえます。

新たな職員の役割を位置付けたり、学外から新たな専門スタッフを配置したりしても、それとは関係なく教員が仕事をしてしまえば、それはただの付加的な配置であって「働き方改革」につながりません。そうしたスタッフが配置されても、教員の働き方が変わらなければ、いっそう教員が苦しくなってしまう、そうした心配があると思われます。

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