学校の働き方改革の実現と職員・専門スタッフへの期待(3)多面的なアプローチによる業務改善

eye-catch_1024-768_katou_finR茨城大学教職大学院准教授 加藤 崇英

今回は、これまで関わった公立学校の業務改善で述べてきた進め方や、その考え方について述べたいと思います。

第一に、少しずつでもいいからすぐに始めること。そして、継続する。第二に、全ての学校、管理職、教職員が自分の持ち分からできることを行い、協力すること。第三に、「業務改善」を「業務」として位置付けること。

学校の業務改善が長続きしない大きな理由は、一部の教職員のみが携わるという現状にありました。自分が取り組んでも、周囲が取り組まなければ、次第にその義務感や意欲はなくなります。また、これが一番大きいのですが、取り組みの中心である管理職や教職員の異動です。異動すると止まってしまう。

さらに、片手間に行うものであったり、「ついでに」「できたら」行うようなものになったりしているからです。「業務改善」が後回しになります。また、業務改善の必要性は忙しいときに実感されますが、繁忙期には、その改善について議論する余裕はありません。比較的、時間の取れる時期に、忙しいときの改善や課題についてきちんと話し合いをする必要があります。

具体的には、大まかに業務改善の八つの領域を設定し、進めるようアドバイスしてきました。

その八つの領域を説明します。

一つは、目標・目的管理系。体系をシンプルにする。複雑で多層構造化していると改善の優先順位を決められません。二つめは時間管理系。タイムカードなどの活用により勤務時間を把握する。管理を厳しくするのではなく、勤務している時間の目安を自覚するために必要です。三つめは協働組織系。これは校務分掌、会議・会合、授業などの支援組織の検討が課題です。四つめはマンパワー強化系。主として外部からの職員・専門スタッフの関わりです。五つめは事務業務系。ICT化(校務支援システム導入)や学校徴収金の在り方などです。六つめは、部活動。「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(2018年3月19日)が示されたこともあり、まずこの運用が課題でしょう。七つめは、施設・空間系。授業間の移動や休み時間・休憩の現状なども含みます。最後は評価。大きくは学習評価と学校評価に関するものです。
学校には四つめの「マンパワー強化系」として、外部からの職員やボランティアが以前から多く関わってきました。教員の負担軽減になるどころか、事前説明や段取りまで教員が行い、結局、教員がフォローやまとめをすることもあったりします。

「自分でやる方が早い」と考えたり、自分たちの本務とは切り離したところで協力を依頼したりするようになります。外部からの職員やボランティアの活用には「投資」と「回収」の視点を明確にすることが必要です。