学校の働き方改革の実現と職員・専門スタッフへの期待(6)スクールソーシャルワーカーと生徒指導体制

eye-catch_1024-768_katou_finR茨城大学教職大学院准教授 加藤 崇英

 スクールソーシャルワーカー(以下、SSW)は、社会福祉士や精神保健福祉士など、福祉に関する専門的な資格を有する者が望ましいとされています。

しかし、文科省の「スクールソーシャルワーカー活用事業実施要領」では、活動経験がある者で、(1)問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け(2)関係機関などとのネットワークの構築や連携・調整(3)学校内におけるチーム体制の構築、支援(4)保護者、教職員などに対する支援・相談・情報提供(5)教職員などへの研修活動――といった職務内容を適切に遂行できる者もSSWとして活躍できるとの記述もあります。

SSWのはたらきを考えてみます。詳細は、私が編著した『「チーム学校」まるわかりガイドブック』(教育開発研究所)の中で、SSWの佐々木千里さんが記している「スクールソーシャルワーカーの立場から」を参照ください。

ある事例では、学校がさまざまな取り組みをしているのにあまり効果が出ず、教員が疲弊していました。問題を起こす子供も単に「困った子」と捉えられてしまい、学校と保護者との関係づくりにも悩みがありました。

これには的確な「アセスメント」が必要です。背景や原因を明らかにしながら方策を明確にし、関係機関と連携しながら、学校がチームとして対応することが必要になります。そこで、学校の支援計画の立案や、校内研修を共通理解するために、SSWの活躍が期待されます。

SSWの効果的な活用には、前回触れた「教育相談コーディネーター」の存在も重要といえます。コーディネーターの役割を担うのは、生徒指導主事、養護教諭、特別支援学級の教諭、教務主任などが考えられます。現状では、教頭に期待せざるを得ない学校が多いのではないでしょうか。教頭の業務負担が大きいことは筆者自身も調査研究で重々承知していますが、役割の重要性や責任の重さからいえば、他の教職員では困難な場合が少なくないと思います。

今日の学校では、いじめ防止対策、特別支援対策、教育相談の充実など、機能を維持するための調整マネジメントがいっそう重要になっています。しかし、現有の教職員配置では、もはや限界だと思います。
教員の定数が変わらないのなら、管理職の複数配置か、管理職の支援職員の増員、管理職をサポートできる学校事務職員の増員が必要であるというのが筆者の考えです。