学校の働き方改革の実現と職員・専門スタッフへの期待(9)一時的な負担を投資として捉える

eye-catch_1024-768_katou_finR茨城大学教職大学院准教授 加藤 崇英

今回は、業務改善を「負担」ではなく、「投資」と捉える視点について述べたいと思います。

業務改善の取り組みの難しさについて、前回取り上げた地域人材を活用するためのコーディネーター配置の課題を例に考えてみます。これに関わる視点は、第3回連載の「マンパワー強化」でも少し触れました。

外部職員やボランティアを活用すれば、本来は学校の負担が軽減されるはずですが、その際、発生する業務が「負担」になります。学校では、長らく教員や管理職が全ての役割を担ってきました。教育効果が同じなら「自分でやる方が早い」となってしまい、学校が外部人材の活用に消極的になってしまう面もあります。

こんな課題を踏まえたマネジメントとして、以下のような視点での捉え方があります。まず、「投資」を通じて、外部からの職員やボランティアを活用する仕組み作りをします。それが軌道に乗り、実現したことを確認します。その後、ようやく負担が軽減されることで、時間と労力の「回収」が実感できます。「収益」と言えれば、なお良いです。

この中では「投資」から「回収」までのタイムラグがあります。しかも、その「回収」の恩恵を受けるころには、自分は異動しているかもしれません。このような教育の本務と離れた部分の努力を見てくれている人はいるのか、不安を覚える人がいるかもしれません。経験と力量がある教職員ならばなおさら、個人レベルで動くことを期待しづらい面もあります。

つまり、そうしたタイムラグを許容できる見通しなり、希望的観測を提示することもマネジメントの重要な課題の一つだといえます。

私は、業務改善の取り組みに、こうした「投資」と「回収」の視点を当てはめられると考えます。学校は、教育という業務を遂行する組織です。その業務を止めることなく、業務を支える仕組みを変えようというのです。変えるのは、組織かもしれませんし、書類やファイルの整理といったことかもしれません。
いずれにしても、大なり小なりの一時的な「負担」を覚悟する必要があります。それを「負担」とネガティブに捉えるか、「投資」と前向きに捉えられるかです。

現在は「働き方改革」という名の下で後押しを受けられますし、周知や説明もしやすい状況です。学校の業務改善を行う最大のチャンスにあります。