学校の働き方改革の実現と職員・専門スタッフへの期待(10)チーム学校の構築と業務改善の推進を

eye-catch_1024-768_katou_finR茨城大学教職大学院准教授 加藤 崇英

「チーム学校」答申の重要なポイントの一つとして、教職員の「専門性に基づくチーム体制の構築」が示されています。この「専門性」が重要な視点です。

「働き方改革」に沿って述べると、専門性の観点から教員の業務を「教師が担う業務としての授業・指導」「教師の業務だが負担軽減が可能な業務」「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」「基本的には学校以外が担うべき業務」に選別し、そこに職員・スタッフを位置付けていく考え方が示されています(文科省「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について」通知 2018・2・9)。

こうした考えの下、学校がすぐにでも業務改善を進められるかといえば、なかなか難しいのではないかと考えます。前述した業務の選別は、理屈や道理が分かっただけでは、すぐ実行に移せません。これらの業務が個業なのか、協業なのか、業務規模を変えずに継続するものなのか、縮小ないし統合するものなのか、いずれは廃止し、なくすものなのか。端的にいえば、優先順位の決定を組織として一つ一つ合意していかなければ進められません。

別な言い方をすれば、すぐに対応できない理由は、学校業務をアウトソーシングできるような発想で捉えてこなかったということでもあります。

望む、望まないにかかわらず、教員が全て抱え込むのが学校の文化でした。業務の観点からの組織改善と効率性の追求といった側面について、学校は他業種と比べ著しく遅れているといえます。

気を付けなくてはいけないのは、以下の2点です。一つは、新学習指導要領に切り替わる現在のタイミング。まさに最優先課題だといえます。二つ目は、あと数年は学校にベテラン教員が多くいて、若手教員の採用も多いことです。若手教員は単純に業務経験が浅いだけではありません。例えば、業務改善として会議時間の短縮はよく挙げられる課題ですが、若手にとっては、いわば格好のOJTの場であり、校内研修の場に成り得るといってよいでしょう。

業務改善として示される課題を機械的に行うのではなく、自校の状況に合わせてデザインするという意味で、これもマネジメントの課題です。

今、学校は、急ピッチで「働き方改革」に合流しようとしています。長い目で見れば、急いで無理に成果を出すよりも、ゆるやかに、広く、確実に進めていく重要性を共通理解することから始める必要があります。

(おわり)