新スタートでつまずかない~若手教員に贈るメッセージ~(10)メモで気を付けることを意識

修正eye-catch_oomae京都文教大学准教授 大前 曉政

サッカーやバスケットボールの上達のためにノートを活用している人が多くいます。自分のプレーで気を付けたいことや自分がやりたいプレーをノートに書いて、それを意識して試合に臨むわけです。前もって自分のイメージを豊かにしておくことで試合でのパフォーマンスも高まりますし、上達も早くなるのです。教師もよいパフォーマンスを発揮しようと思えば、頭の中の「意識」が大切になります。

例えば、「笑顔で教室に入っておはようと言う」意識のある教師は、意識が続く限り笑顔であいさつできます。毎朝、笑顔で教師からあいさつされると子供はうれしいものです。子供も笑顔であいさつを返してくれるでしょう。これで1日の素晴らしいスタートが切れます。教師が前もって「意識」していたからこそ、高いパフォーマンスが発揮できたのです。

他にも、「子供の発表をしっかりと褒めよう」と意識している教師がいるとします。その教師は、授業で発表した子をしっかりと褒めることができました。すると、さらに発表が活発になり、意見が広がり、充実した学習にすることができました。

たかが「発表をほめる」行為でも、意識していないとなかなかできないものです。教師が高いパフォーマンスを発揮するには、「何を意識しているのか」が決定的に大切です。学級経営でも、子供への対応でも、授業でも、何を意識しているかでパフォーマンスは変わってきます。

授業だけでも多くの「意識すべきこと」があります。「指示や説明は短くする」「子供の疑問を取り上げて展開する」「発問はぶれないようにする」などです。教師が目指す授業によっても、意識すべきことは変わるはずです。

スポーツ選手と同様、教師も多くのことを意識する必要があります。頭の中で記憶しておくだけだと、どうしても漏れが出ます。そこで、ノートなどに記録することが大切になるのです。「笑顔で教室に入ろう」「子供の発表をしっかりと褒めよう」と意識し続けていると、やがて変化が訪れます。無意識にでも、当たり前にできるようになるのです。教師の意識的な行動が続けるうちに習慣化するのです。習慣化して無意識にできるようになれば、メモは必要なくなります。そうなれば、別の「意識したいこと」をメモすればよいのです。

教師として気を付けることを記したメモがどんどん増えていき、一つずつ意識する必要がなくなっていきます。この作業を繰り返ししていると、教師として力が付いたことを自覚できるはずです。昔、気を付けていたメモを見直してみると、今、できなくなっているものも見つかるかもしれません。メモ帳でもノートでも何でもよいので、教師として気を付けておきたいことをいつでも見られるようにしておくことが大切です。

(おわり)