LibrariEの可能性~電子図書館を活用した学校教育の未来(1)学校図書館に電子書籍を導入

立命館大学教授 湯浅俊彦

今日の学校教育において重要なのは、デジタル・ネットワーク社会に対応した教育実践を行っていくことです。それは単にデジタル教科書やデジタル教材、電子黒板やタブレットといったツールを使いこなすだけではなく、むしろ社会全体の構造的な変化に伴い、知識情報基盤そのものの変容を理解するということです。

つまり、体系的な知識を学び、論理的思考力を養うだけではなく、解が複数ある問いを考え抜いたり、他者とのディベートやプレゼンを行って、批判的に考える力(クリティカルシンキング)を鍛えたりすることが重要になってくるのです。教室で先生の言うことを拝聴するだけの授業ではなく、生徒自身がさまざまな情報資源を利用してアクティブ・ラーニング(能動的学修)を行うことこそが目的となってくるのです。

これまで「読書センター」と位置付けられていた学校図書館に、「学習センター」や「情報センター」としての機能が求められるようになってきたのも、まさにそうした変化の表れです。本来は、学校図書館が「教育課程」に寄与するのは当然のことです。なぜなら「学校図書館法」第2条に「図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料を収集し、整理し、および保存し、これを児童または生徒および教員の利用に供することによって、学校の教育課程の展開に寄与する」と法で定められているからです。

それでは、デジタル・ネットワーク社会に対応するために、これからの学校図書館は具体的にどのようなことを行う必要があるのでしょうか。

例えば、文部科学省「高等学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示について(通知)」(2018年3月30日)では、「学校図書館の充実や指導体制、学校施設・設備、ICT環境の整備など教材や教育環境の整備・充実を図ること」を明記しています。

日本電子図書館サービス「LibrariE」のHPトップ画面

この連載では、電子図書館システム「LibrariE」を導入した学校図書館の事例を示しながら、生徒が著作物を利用し、新たな知見を生み出し、継承していくことの重要性について考えてみたいと思います。

LibrariEとは、株式会社日本電子図書館サービスが提供する電子図書館サービスです。2018年4月20日現在、取り扱いコンテンツ数は3万1千点、導入館は60館で、その内訳は大学図書館20館、学校図書館17館、公共図書館23館(提携先の図書館流通センターが提供する電子図書館サービスであるTRC-DLへのコンテンツ供給館を含む)となっています。私がその実態を知るために訪れた日本体育大学柏高校では、実に活発に利用されている状況が分かりました。