世界の教室から ニュージーランドの教育イノベーション(上)

世界の教育先進国といえば、北欧のイメージが強い。しかし、これまで世界各国の教育を調査研究してきた武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部の上松恵理子准教授が注目しているのが、ニュージーランドだ。5月初旬に2回目となる同国の学校視察を終えた同准教授が、改革により大きく変化した現在のニュージーランド教育について3回に分けてリポートする。

財政難からの教育改革 学校独自にファンディング

武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授 上松恵理子

■世界各国の「いいとこ取り教育」

ニュージーランドは、かつて1NZドルが400円近かったほど豊かな国であった。しかし、EUの統合などが大きな打撃となり、財政は窮地に陥った。そこで同政府は、政策を大きく転換することでこの難局を乗り越えた。

当時の改革は、行政改革、医療改革から働き方改革まで多岐にわたる。医療については電子カルテを世界でいち早くとり入れた。個人のデータとして管理されているため、医療費だけでなく保険料にも関わる。さらに、国家公務員の6割削減や、国家事業の8割もの凍結、および中間組織を無くしITを使うことでコストカットを行った。もちろん教育改革も例外ではない。

いろいろな国を調査研究してきたが、ニュージーランドは各国のICT教育の良い所を取り入れた「いいとこ取り教育」といえる。……