LibrariEの可能性~電子図書館を活用した学校教育の未来(3)アクティブ・ラーニングと学校図書館司書

立命館大学教授 湯浅俊彦

日本体育大学柏高校が電子図書館サービス「LibrariE」を導入した事例を調査して、何よりも驚いたのは、リアル図書館である「メディアセンター」より、電子図書館である「Nittaidai Kashiwa Digital Library」の方が貸出冊数や貸出人数が上回ったことでした。

沖田綾子司書から提供された、2018年4~5月の2カ月間の利用統計では、メディアセンターの貸出回数が146回(教員47回、生徒99回)であるのに対して、電子図書館の貸出回数は539回(教員14回、生徒525回)となり、電子図書館がリアル図書館の3倍以上の資料貸出が行っていました。

貸出人数はメディアセンターの35人(教員9人、生徒26人)に対して、電子図書館は200人(教員6人、生徒194人)と、電子図書館を使う利用者がリアル図書館の6倍近くも多い結果となりました。

背景には、電子図書館サービスを定着させる積極的な取り組みがあると考えられます。同校では、18年度は5月30日までに1学年全クラスを対象とした「LibrariE」と「メディアセンター」(学校図書館)のオリエンテーションを終了しており、17年度よりも早い時期に電子図書館サービスの周知徹底を図ったとのことでした。

16年4月の導入以降の経過を見ると、総貸出回数は16年度が493回(教員131人、生徒362人)だったのが、17年度には1454回(教員83人、生徒1371人)と増加し、18年度はすでに4~5月の2カ月間で539回と激増しています。

その要因は、次の3点であることが取材で明らかになりました。

第一に、オリエンテーションやポスターによる電子図書館サービスの広報活動を積極的に行っていること。

第二に、短い周期で更新される電子図書館サイトを目指し、トップページの本の紹介の仕方を工夫していること。

第三に、部活動が忙しいなど、メディアセンターに行きにくい生徒でも使えるなど、電子図書館のメリットが浸透してきていること。

近年、生徒全員がタブレットやPCなどのデバイスを持ち、ICTを活用した教育を試行する学校が増えてきましたが、全国的にみると電子書籍を利用する学校はまだ少ないのが現状です。そのような状況下では、同校の電子図書館サービスの導入事例は、アクティブ・ラーニングに向けた学校教育の新しい潮流になるでしょう。

学校図書館司書が新しい情報技術を用いて、積極的に授業支援する重要性を示していると考えられます。