「困った子」は「困っている子」(6)学級環境を整える②

元東京都日野市立小学校長 京極澄子

さまざまな個性の子が在籍する学級で、互いを理解し合う温かな学級づくりが必要です。その前提になるのは、人はみな違い、得意なことや苦手なことがあるという理解です。苦手なことは補い合い、得意なことは伸ばしていける学級を作りたいものです。

「分からない」と言える学級、「ドンマイ」「いいねえ」と言える学級、失敗から学べる学級は、どの子も安心して生活できます。 教師が間違いを許さない学級は萎縮します。モデルは教師です。私たちは、子供のつまずきばかりに目が行く傾向があります。それ以上に子供の良さをキャッチし、褒める努力が必要です。

子供の良い行動を見つけたらグッジョブカードに書いて渡すという取り組みを全教員で行っている中学校があります。生徒は、礼儀正しく意欲的で、どの子も真剣に学ぶ姿が印象的でした。教師が、子供の頑張りを見逃さない目を持つことが求められます。フリートークや学級ソーシャルスキルの取り組みも人間関係づくりに効果的です。

見通しが持てないと不安になり、落ち着いて学習に取り組めない子がいます。授業の流れを掲示したり、時間の区切りをタイマーや時計で表したりすると、メリハリも付いて効果的です。

1年生のB君は授業中の離席が多く、体育の授業では支援員が付いていましたが、2人で追いかけっこの連続です。私は次の時間から支援員をやめてみようと思いました。担任が支援員に任せたまま1度もB君と関わらなかったからです。

担任と相談し、三つの対策を考えました。①授業の見通しを持たせるためにその時間の活動内容を示す②ペアで活動する③3回以上B君を褒める――です。

次の時間、担任は三つ以外にもさまざまな工夫を織り込み、授業を構成していました。明らかに質の高い授業になっていたのです。その結果、B君は、みんなと一緒に楽しそうに授業に参加しました。

教室での離席はまだありましたが、ある日、担任が「B君が離席するのは、私の授業が面白くないときです。B君はバロメーターです」と伝えてくれました。

その後、この担任は授業改善に真剣に取り組み、大きく成長したことは言うまでもありません。

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