「困った子」は「困っている子」(8)すぐに取り組める視覚化と共有化

元東京都日野市立小学校長 京極澄子

「視覚化」は、視覚、感覚、動作を入り口にして、考えられるようにする工夫です。理解を妨げる「見えにくいものを、見えるようにする」のです。

言葉の意味が分かるように写真を提示する、書かれている内容が分かるように動作化する、資料を活用する、「授業展開」「子供の発言」が分かる構造的な板書をする――。こうすることによって、学習の理解が進みます。

授業はつながりの中で理解を図りますから、記憶が苦手な子や、理解がゆっくりな子のためにも、分かりやすい板書は重要になります。

「論理」や「見方・考え方」の理解は、抽象的で難しい内容です。これを図や表などを使って視覚化すると、つながりが見えて理解しやすくなります。

視覚化で注意したい点は、見やすさと情報量の調整です。たくさんの視覚情報を提示しすぎると、かえって子供の思考は混乱します。字の大きさや色にも注意したいものです。あくまでも、視覚化は手段です。何のために視覚化するかをよく吟味し、その効果も確かめる必要があります。

2人組で伝え合う「ペア活動」は、どの子もアウトプットの機会があります。

自信がなくても、互いの意見を確かめると安心できます。相手がうなずいて聞いてくれれば、うれしくなります。

ペア活動は難しい内容の意見交流より、「話したい」「言いたい」場で使うと、意欲や自信につながり効果的です。

また、立って話し合うとメリハリがつき、適度な緊張感が生まれます。教師にとってもみとりやすくなり、おすすめです。

「グループ活動」では、全員の子供が意見を伝え合い、交流することが大切です。自分の意見を持つ場や、話し合った意見を全体の場につなげる方法も検討が必要です。

「全体の場」では、子供同士がヒントを出し合う、繰り返して伝え合うなど子供の発言をつなぎ、個々の発信の場を増やすように工夫します。「共有化」は、一人の考えを他の子供に伝え、理解や思考を深めるための工夫です。教員の役割が重要です。

まず、話し合う活動を通して何に気付かせ、どのような力を付けるのかを明確に構想し、子供のあらゆる発言を生かすことです。

こうした対応力は、子供の発言を常に想定することを重ねると磨かれていきます。

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