LibrariEの可能性~電子図書館を活用した学校教育の未来(10)電子資料が変える学校教育

立命館大学教授 湯浅俊彦

ここで改めて電子図書館サービス「LibrariE」の特徴を日本電子図書館サービスのホームページで確認しておきましょう。

第1に、日本語タイトルの出版コンテンツの豊富さです。

第2に、生徒がいつでも、どこでも利用できることです。365日、24時間利用可能で、スマートフォン、タブレット、PCなど、どのようなデバイスでも利用可能です。

第3に、紙媒体とは異なり、文字拡大・反転、自動ページ送り、音声読み上げなど、アクセシブルな環境が提供できることです。

第4に、クラウド型電子図書館サービスであるため、図書館内に電子書籍サーバーなどの設置が不要であり、システム運用の労力やコストの低減化が図れることです。

第5に、学校が独自に作成するさまざまな校内資料のポータルサイトとして活用できることです。

すでにこの連載でも紹介した武庫川女子大学では、司書課程科目「図書館サービス概論」の受講生に「MWU電子図書館」(Mukogawa Women’s University e-Library)から自分が推薦する電子書籍1冊を選んでPOPを作成。これを図書館の正面玄関の目立つところに70タイトル展示しています。

図書館に来る学生はこのPOPにスマホをかざして電子書籍の貸し出しサービスが受けられるため、タイトルによっては予約がつき、多く借りられるようになります。2018年4~6月の期間だけでも、昨年度の利用者数を上回る貸出数2千件を突破したとのことです。

これは大学だけでなく、小・中・高校でも十分活用できる事例です。電子書籍での読書が流行している学校は、一部の読書好きしかいない学校より、図書館運営が間違いなく成功していると言えるでしょう。

学校図書館法の第2条にある「図書館資料」では、印刷資料や非印刷資料だけでなく、電子書籍、デジタル雑誌、データベース、ネットワーク情報資源にも概念を拡大しています。

必ずしも「所蔵」を前提にせず、外部サーバーにアクセスする「利用」を含み、概念の大きな転換期を迎えつつあります。

無料トライアルで電子図書館サービスの導入の検討さえしない学校図書館は、小学生が選ぶ「子供の本」総選挙の第1位のタイトル風に言えば、「ざんねんな学校図書館事典」に掲載されてしまうのではないでしょうか。

電子資料の活用は、生徒、図書館、学校を変えて、これまでの学校教育が依拠している知識情報基盤そのものを大きく変えていくのです。

(おわり)

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