部活動の在り方を問い直す2 (4)部活動改革と現場の声

スポーツ庁が出した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」には、休養日についての文言があります。

それによると、▽学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける▽平日は少なくとも1日、土日は少なくとも1日以上を休養日に充てる▽週末に大会参加などで活動した場合は、休養日を他の日に振り替える――としています。1日の活動時間は、長くとも平日で2時間程度、休業日は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動とすることを求めています。

この「総量規制」について、明確な数字が示されたことに対する現場の受け止め方は実にさまざまです。ガイドラインを読んだとき「現場の実態とは程遠い」と思いました。終礼後、職員室に戻るのは午後4時くらいです。会議があって、やっとグラウンドに出られるのが5時すぎ、場合によっては6時ごろになることもあります。日照時間が長い季節なら、そこから1時間くらいは指導したいところです。

しかし、このガイドライン通りとなると、もう活動時間はありません。活動時間には準備や片付けも含まれています。思わず、平日の活動時間は実質的にどれくらいになるのかと考え込んでしまいました。

実際、学校の同僚や私と同じ野球部の顧問同士で集まって話したときも「平日はほとんど見る時間がない」という結論になりました。「どうせ無理だよ」という見方が大半なのです。

ある教員にこの話を話したら、受け止め方が違っていました。「(ガイドラインで)あんなふうに枠を決めないと中身を変えようという議論になっていかない」という意見です。

確かに、平日の活動をトータル2時間で終わらせる発想は、どこかで聞く話ではあるものの、現実のものとして運用していくことは考えてもみませんでした。

土日の活動があった週明けは、生徒も顧問も疲れが出ることがあります。今年、私が担当している1年生は、まだまだ練習に付いていくだけで必死の状況です。月曜日に体調不良で休む生徒が出てくるとなると、やはりそれは考えものだと言わざるを得ません。

「生徒を鍛える」という言葉は実に危ういと思います。ややもすれば間違った方向に生徒を向かわせることになります。学校という場の部活動という空間で「鍛える」というのは一体どういうことを指すのでしょうか。この「当たり前」の感覚を精査していく良い機会として現状を捉え、指導に当たっていく時期が来たのだと実感しています。

(杉本直樹・大阪市立上町中学校教諭)

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