漫才づくりが教育を変える(6)キャラと仁


東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元


 今回はキャラとの対比で仁(にん)の問題をさらに掘り下げていく。キャラと仁は決定的に異なる。イジられキャラ、モテキャラ、陰キャラ……それらは仁ではない。「キャラが仁に合っている」という表現は可能だが、キャラ自体が仁とイコールなわけではない。キャラは状況ごとに変えられるが、仁は場面ごとにコロコロと変わるものではない。また、キャラは他人とカブることがあるが、仁は決してカブらない。

 そもそもキャラは状況依存的に変わっていくのが常である。例えば、大学では誰から見ても物静かな女子学生が、バイト先ではシフトリーダーとして振る舞い、家族の前ではお調子者、といったことも珍しくない。どれかが本物というわけではなく、いずれの顔も状況に応じて現れた彼女の姿に他ならない。もっとも、それぞれのキャラはバラバラに分裂しているのではなく、緩やかに統合されている。複数のキャラのうち、自分らしさが発揮できているものがあれば、それは「仁に合ったキャラ」ということになる。

 キャラの考え方は実に便利である。キャラがあることで役割分担が明確になり、コミュニケーションが円滑になる。……

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