部活動の在り方を問い直す2 (8)OBとOGボランティアの活躍

大ヒット漫画「ちはやふる」とその映画化をきっかけに、中高校の競技かるたの競技人口が爆発的に増加した。かつて、大学生が主体だった選手層も、今は中高生がかなりの割合を占めている。

神奈川県の高校総合文化祭のかるた大会の参加者は、2009年度が34人だったのに対し、17年度は255人と7.5倍になった。クラブの新設も相次ぐ。日本一を決める高校選手権の県予選への参加校も、09年度が5校だったのに対し、今年度は過去最多の28校に増えた。

一方で、県の高文連かるた専門部に携わる教員は、中心になっていた教員の退職が相次ぎ、減少傾向にある。県全体の選手強化や育成を目指すにも、教員だけでは手が回らないのが現状だ。

そのような中、16年に部員OBとOG主体のボランティア団体「かながわユースかるたアカデミー」が結成され、現在は県の高校生を対象にした合同練習会の開催、県高文連かるた専門部主催の大会運営スタッフとして活躍している。

活動は初心者大会のルールやマナー指導など、多岐にわたっている。

ボランティアは、出身校の後輩に限らず、県全体の強化を目指す姿勢を共有している。縦(学校)や横(年代)の枠を超えた「ナナメ」のつながりを生み出す活動を展開している。

団体の1年半にわたる活動実績が認められ、今年度からは県高文連かるた専門部の上層部に当たる神奈川県かるた協会からも、合同練習会に使用する会場使用料の補助金が拠出されるまでになった。

教員だけで取り組むと、得てして視野も狭くなりがちで活動範囲も制限されてしまう。一方、喜んで協力の手を差し伸べてくれる部員OBやOGも数多くいる。彼らの意欲と行動力を活用すれば、さらなる活動の充実が可能になる。

もちろん、安全管理上の課題やトラブル対応など、一定の範囲で大人が関わらなければならない部分も存在する。高文連かるた専門部の教員か、事情に精通している外部指導員がスーパーバイザーとして助言し、活動内容を強化することも不可欠だ。

ただ、ボランティアの協力で安定した体制が築ければ、次世代への円滑な引き継ぎができ、継続的なアシストも実現する。「チーム神奈川」として、学校や世代などの既存の枠にとらわれない部活動支援が、今後ますます期待される。

(学習院大学大学院/元中高校教諭・由井一成)