
東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元
最終回となる今回は、道徳教育・教師教育を巡る筆者の問題意識について触れ、漫才づくりに関する考察を総括したい。
道徳教育は規範教育的な側面が強い。もちろん、それは大切な課題であり、子供たちが社会の一員となってゆくために必要である。だが、規範的側面が強く打ち出された道徳の授業は、子供たちにとって分かりきったことをひたすらなぞり、良い子を演じねばならない退屈な時間となりかねない。
漫才づくりには、笑いという軽やかさの奥に道徳教育の根本的課題が控えている。……
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