子供の眠りが危ない 睡眠負債を知ろう(2)日本の子供の睡眠時間短く

雨晴クリニック副医院長 睡眠専門医 坪田 聡

最近50年間で、日本の大人の睡眠時間は約1時間も短くなった。子供の睡眠時間も大人と同様に年々短くなっている。文科省のデータによると、小学生の睡眠時間は1970年に9時間23分だったが、2000年には8時間43分になり、30年間で40分も短くなった。

海外の子供たちと比較しても、日本の子供たちの睡眠時間はとても短くなっている。16カ国の0~3歳児の睡眠時間を見ると、日本は約11時間50分で最も短く、最長のニュージーランドと比べて1時間40分も短い。

欧米とアジア10カ国の中学生の睡眠時間の比較では、日本は7~7時間半だった。同程度の睡眠時間の国は台湾だけで、欧州の7カ国は日本より1.5時間ほど長く眠っていた。

睡眠時間が削られたのは、就寝時刻が遅くなり夜型化が進んだからである。日本小児保健協会の調査では、午後10時以降に就床する3歳児の割合は、1980年に22%だったが、90年には36%、2000年は52%と過半数を超えてしまった。1990年に行われたオーストラリアの調査では、午後10時以降に床に就く25~38カ月児はわずか4%だったから、いかに日本の子供が夜更かしか分かる。

もう少し大きな子供も、遅い時刻まで眠らない。小学5・6年生の就寝時刻を日本、米国、中国で比べると、日本は午後10時10分、米国が午後8時35分、中国は午後9時だった。米中に比べて1~1時間半も遅くまで起きていることになる。中学生になると、大人と同程度まで起きている。06年の調査で平均就寝時刻は中学2年生で午後11時25分、高校2年生で午後11時50分だった。

子供の遅寝は、母親の就寝時刻と密接な関係がある。午後10時以降に就寝する遅寝の子供の母親は、早寝の子供の母親と比べて平均1時間以上の遅寝で20分以上の遅起き、睡眠時間は30分短いことが知られている。一方、父親の就寝時刻は子供の就寝時刻には影響がない。

小学3~6年生の睡眠不足の原因は、第1位が「なんとなく」で約半数である。次いで「家族が遅いから」が約4割だ。つまり、家族の就寝時刻が早まれば、子供も早寝になって十分な睡眠時間が取れる可能性がある。

子供の就寝時刻は「しつけ」の一環として家族で話し合って決めたい。家族も子供がぐっすり眠るための協力をしたほうがよいのではないだろうか。

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