子供の読む力・言葉の力が伸びる! 文章を丸ごととらえるフレームリーディング(7)物語をとらえる~低学年編

筑波大学附属小学校教諭 青木 伸生

◆物語の基本形

物語の基本はA→A’である。つまり、話の展開の中で何かが変わるというのが最も基本の形となる。作品の中で一番大きく変わるのが「中心人物」である。よって、「何が、どのように変わったか」を考えながら読むと、物語の内容をとらえることができる。

◆登場人物を数える

物語の中で変わるのは、基本的に人物である。作品の中に誰が登場し、その中の誰が変わっていく話なのかをとらえればよい。誰が変わるかを把握するためには、誰が出てくるか、つまり、登場人物をつかむことが、まず大切になる。

1年生の「大きなかぶ」を例に考えてみる。この物語に登場する人物は何人か。これをつかむことが、1年生の物語を読む学習の出発点になると言ってもよい。

1年生の子供たちに、「このお話に出てくる人は何人ですか」と投げ掛けて数えさせる。子供たちは、こちらの思惑通り、「おじいさんと、おばあさんと、まごの3人です」と素直に人の数を数え始める。こちらが意図的に「出てくる人は」と尋ねているので、「3人」は正解である。しかし、他の子供は、「でも、この話でかぶを引っぱっているのは3人だけじゃないよ」と言う。そこで、他にかぶを引っぱっているのは誰か確かめる。「犬とねことねずみ」である。

ここまで確かめたところで、子供たちに「お話に出てくる人を『登場人物』という。『登場人物』は、人とは限らない。自分から動いたり、せりふを言ったりするのは、みんな『登場人物』に入れる」と話をする。

◆せりふを選ぶ

「大きなかぶ」には、かぎかっこの付いているせりふがいくつあるか数えさせる。かぎかっこが目印なので、あるかないかは100パーセント見分けがつく。

この物語には、六つのせりふがある。しかも、全て「うんとこしょ、どっこいしょ」という同じせりふである。六つあるのを確かめたところで、子供たちに「この六つの『うんとこしょ、どっこいしょ』の中で、一番大切な『うんとこしょ、どっこいしょ』はどれかな」と尋ねる。子供からは、「一番後ろの『うんとこしょ、どっこいしょ』は、6人みんなでかぶを引っぱるときにみんなで言っている。だから一番大事」との意見が上がる。

文章を丸ごと読むと、同じに見えるせりふにも大きな違いがあることに気付くことができる。

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