子供の眠りが危ない 睡眠負債を知ろう(10) 目覚めたら朝日を浴びる

雨晴クリニック副医院長 睡眠専門医 坪田 聡

人が好む明るさはいつも一定なわけではなく、1日の中でも規則的に変化する。午前中は、1千ルクス以上の明るさを好むが、午後からは少しずつ減っていき、夕方には200ルクスほどになる。学校環境衛生基準によると、教室は300~500ルクス以上が望ましいとされている。普通の家の台所や居間は夜間100~300ルクスが多い。

この明るさのリズムに合わせて、夕食後は照明を次第に暗くしていき、眠るときには真っ暗にするか、4ルクス以下の豆電球ほどの暗さにすると、快い睡眠を得やすくなる。暗闇が不安な人は、少し明かりをつけておいた方が安心してよく眠れる。外が明る過ぎるなら、厚めのカーテンやブラインドを付けよう。

できれば眠る時刻の1時間前、少なくとも30分前には、テレビやパソコン、ゲーム機、スマートフォンなどの電子メディアの電源を切ろう。

電子メディアの画面からは、青い光「ブルーライト」がたくさん出ている。青色は日中の空の色なので、私たちの脳は夜に青い光を見ると「今は昼だ」と勘違いして、睡眠ホルモン「メラトニン」を減らしてしまう。多くの白色LEDライトは、青と黄色を混ぜて白くしているので、夜にLEDライトを使うのなら、電球色や暖色系の物がお勧めだ。

朝すっきりと目を覚ますためには、目覚める予定時刻の30分前から少しずつ明るくなるようにすると良い。そうすると、暗い中で起こされたときに比べて、気持ちよく目覚められ、その後の気分も良いことが分かっている。平日の睡眠時間が延び、休日の睡眠時間が短くなり、早寝早起きにもなる。

特別な照明器具を使わなくても、防犯上の問題がなければ、カーテンを少し開けておくと朝日が入って目覚めやすくなる。

目が覚めたら、すぐに朝日を浴びよう。明るい光を見ると、体内時計がリセットされて新しい1日が始まる。夜の間にたくさん出ていたメラトニンも、明るい光で分泌がぐっと減り、眠気がなくなってくる。

日中はなるべく明るい所で過ごすと、覚醒度が高いまま維持される。日中に明るい光をたくさん浴びると、体内時計の調子が良くなり夜はぐっすり眠れるようになる。

10回の連載を通じて睡眠を学んでいただいた。生活習慣を改善することで、子供たちの睡眠力を高められるので、ぜひこの知識を活用してほしい。

※良い睡眠に必要な日常の「生活習慣チェックリスト」も示すので参考に。

(おわり)

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