子供の読む力・言葉の力が伸びる! 文章を丸ごととらえるフレームリーディング(10)思考のプロセスを意識する

筑波大学附属小学校教諭 青木 伸生

◆物語のフレームを持つ

物語には大きく二つのフレームがある。「繰り返し」と「起承転結」というフレームである。「繰り返し」のフレームはさらに二つに分けられる。

一つは教材文「おおきなかぶ」のように、登場人物が増えたり、変わったりすることで場面が繰り返されるもの。もう一つは、昔話にある「三枚のおふだ」のように、登場人物は変わらずに、出来事が繰り返されるもの。

このようなフレームを持つことで、作品の構成をより的確に捉えることができるようになる。さらに、このフレームを使って物語の創作もできる。

◆物語のフレームライティング

2年生の子供が、繰り返しのフレームを使って次のような物語を書いた。

きょうは、弟のたん生日です。なっちゃんは、弟のはるくんのために、バースデーケーキを作ることを思いつきました。

(中略)

それからなっちゃんはケーキを作りはじめました。

できあがったケーキはまっ黒にこげてしまいました。

つぎはこげないようにオーブンの前に立っていました。

「こんどは上手にやけるといいなあ」となっちゃんはわくわくしていました。

ところが、いつの間にかねてしまいました。そしてまた、こげてしまいました。

三回目のケーキはうまくできました。生クリームをぬってトッピングをしはじめました。さいごのいちごをのせようとした時、ケーキをおとしてしまいました。

「もうやだ!」と言っていると、

「もう一どがんばろう」とお母さんが言いました。

四こめのケーキは一番うまくできました。

その夜、みんなではるくんのたん生日をおいわいしました。

「おねえちゃん、ありがとう」と、はるくんはなっちゃんにだきつきました。なっちゃんは、とてもしあわせな気持ちになりました。

◆フレームシンキングへ

リーディングとライティングを積み重ねていきながら、子供たちの思考力を高めたい。さらに、読み方のフレームは、やがて考え方のフレームにもつながっていく。大切なことは、まず全体を俯瞰(ふかん)することだ。ここから焦点化へと思考を絞り込んでいく。こうした思考のプロセスを意識すると国語の授業は大きく変わる。

(おわり)

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