小学校教員が身につけたい 授業に自信を持つための英語発音講座(1)リズムや音変化の学習を

早稲田大学教育・総合科学学術院教授 折井麻美子

小学校の外国語は現在、非常に注目を集めている教科である。新小学校学習指導要領では、中学年に外国語活動、高学年に外国語科が導入され、2020年度から全面実施される。実際に教壇に立つ教員は、この変化をどう感じているだろうか。

私が教育委員を務め、教員研修にも関わっている東京都杉並区の先生からは、教科外国語でどのような指導力が必要なのか、何を教えればよいのかを知りたいという声に加え、自身の英語力や発音への不安も聞かれる。

追手門学院大学の松宮新吾教授は、教師への調査研究を実施。研究結果から小学校教諭は英語への苦手意識や不安感が強い傾向があると分かった。教師が不安を抱える中で、自身の英語力が最も多い要因として現れたと報告する。特に「音に慣れ親しませる」という学習指導要領の指導目標が大きな負担になっているとしている。東京都教職員研修センターの昨年の紀要でも、発音を課題と感じている教員が半数以上いることが取り上げられている。英語を専門とする中学校や高校の教員でも、音声面の指導は簡単ではない。音声指導が困難だと感じる教員が一定数いることは、高知大学の柴田雄介講師の調査でも、筆者が東京都杉並区の中学校英語教員に実施した調査でも示されている。英語音声のトレーニングを受ける機会がほとんどなかった小学校教員が発音に不安を持つのは無理からぬことではないだろうか。

文科省も小学校教員の英語音声への苦手感を認識しており、「小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック」で、付属CDの音声を使って英語力をブラッシュアップするよう促している。文科省公式チャンネルで「発音トレーニング」の対応動画を配信して活用を勧めている。英語話者がリズムに乗って発音を実践する動画なので、ぜひ音を聞いてほしい。

一方で、英語話者の発音を聞いても、口の中がどうなっているのか、どうしたらうまく出せるのかがピンとこない場合もあるのではないか。また、英語らしい発音の習得には、母音や子音と同じくらい、英語特有のリズムや音変化の学習が重要であると数多くの研究が示している。

本連載では、前半に英語のリズムと音変化(第2~5回)を取り上げ、後半に母音と子音(第6~10回)を扱う。

併せて「Waseda Course Channel」(早稲田大学公開授業動画)に対応動画8回分を配信するので、動画を見ながら口の形を作り、音を出してみてほしい。

連載を通じて英語発音のポイントを知ることで、発音への不安が少しでも緩和され、英語の授業づくりと子供たちの学びに専念できるようになることを願っている。

※引用文献は動画内のスライドに記載