進化する高校情報科 ―新学習指導要領の鍵を握る―(6)データ収集と分析の機会

神奈川県立茅ヶ崎西浜高校教諭 鎌田 高徳

スタディサプリを一番見ている生徒とは、どんな生徒だろうか――。

私が勤務する茅ヶ崎西浜高校は、3年前からスタディサプリ(以下サプリ)を導入している。導入直後は1学年分しか導入していなかった。現在は1~3年生まで、全校生徒に対象を広げ、全体的にうまく運用できていると思っている。サプリを導入している高校は、全国で約2千校あるそうだが、本校はサプリの利用率が最も高く、周りから注目を集めている。

サプリをよく視聴する生徒と視聴しない生徒では、どのような違いがあるのか。サプリの導入・運用に携わってきた教員の1人として考えたことがある。その要因が分かれば、生徒がサプリをさらに視聴し、勉強してくれるに違いないと思ったのだ。そういった経緯から、この謎を生徒に解き明かしてもらおうと画策した。

Webアンケートシステム

一昨年度からWebアンケートシステム(REAS)を活用。データ収集と分析、発表を進める授業を実施している。この実践の前は「遅刻をする生徒はどんな生徒だろうか」というテーマで生徒たちに分析をさせていた。

生徒たちは遅刻を引き起こす要因の仮説を立て、別図のWebアンケートシステムに質問を入力し、全員でアンケートに答えた。その後、集めたデータを集計・分析し、結果を発表させた。全体発表を終え、最後に、生徒たちにどの分析結果が一番納得したかを選ばせた。結論として「家が学校から近い人ほど、遅刻をしている」という分析結果が選ばれた。生徒たちの分析を通して、本校の遅刻の要因を発見できたと思っている。生徒の喜々とした発表を見て、ある事に気付いた。「人生で、自らデータを集め、分析する機会は意外にない」ということだ。私たち教師にとっても約400人分のデータを実際に収集し、分析する機会はあまりない。

一方で他人が分析したデータを見る機会は非常に多い。生徒にとって、自分でデータを集め、分析する側の体験をできたのが楽しかったのだと思う。

教員が用意したデータか、国や地方自治体が公開しているデータを使って分析する授業もよく見かける。このような授業が悪いとは言わない。ただ、自分たちでデータを生み出す過程から始めることに、データ分析の意味があるのではないかと思う。実際にデータ収集をさせると、Webアンケートの入力ミスや外れ値などの問題が発生する。質問内容が一定の答えを誘発する内容になっていて、集めたデータに偏りが生じるケースが出ることもある。生データを使った分析を学ばせることが、提示されたデータを正しく読み取る力を育てる。
ビッグデータが注目されているように、これからの時代はデータを扱える人材がより求められるようになる。情報科でこうした人材育成に寄与できる実践をしていかなければならない。

昨年度のサプリの分析結果では「サプリをよく見る生徒は、部活動をしている生徒」だった。今年度はどんな分析結果が出るか、今から楽しみだ。