小学校教員が身につけたい 授業に自信を持つための英語発音講座(6)母音の発音は特に重要

早稲田大学教育・総合科学学術院教授 折井麻美子

■子音以上に母音の練習を

英語の発音を練習する際、子音の発音を学びたいという方が多いのではないだろうか。日本語にはない音が多くあることが知られており、 [r]や[l]、[ʃ]や[θ]などを練習することが一般的だと思う。

子音の発音も大事だが、英語の母音の練習はそれ以上に重要である。なぜ英語の発音上、母音の発音が大事かを、強勢リズムの観点から説明する。

■英語の強勢リズムとアクセントを受ける母音

英語のリズムは「強勢リズム」を持つと言われ、強勢を受けた音節が大体、定間隔で起こる。強音節は長く強くはっきりと発音するのに対し、弱音節は短く弱く目立たなく発音される。

連載の第2回で説明した通り、2音節以上の単語には必ず強勢(アクセント)があり、その音節が文中で強音節になる。弱音節と強音節を明確に対比させることが、英語のリズムを保つ上で重要だ。

アクセントを受ける母音、すなわち強音節の核になる母音は、短母音と、長母音、二重母音である。

短母音の場合、[ə][ɪ][u]は核になることができず、それ以外の短母音でも、音節の最後に子音がくる必要がある。つまり、強音節になるには、長さが長い長母音や、二つの母音の音質を持つ二重母音など、ある程度の「重さ」が必要となる。

この重さを確実に出すには、母音を大きく強くはっきりとした音質で言うことが必要になる。すなわち、英語の最も重要な特徴である強勢リズムの保持には、母音の正確な発音が必要なのだ。

■日本語と同じ母音は一つもない

日本語の母音は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5種類だが、英語の母音は細かく分類した場合、26個前後あるといわれている。

日本語の「ア」と似ている英語の母音は、少なくとも三つあり、それぞれを正確に発音する必要がある。しかし、全てを日本語の「ア」で代用してしまうことが多い。意味の取り違えにもつながるので、次回から以下のように2回に分けて、各母音の口の作り方や発音のこつを説明していく。

第7回

「ア」と紛らわしい母音 hat [æ]  vs.  hut [Λ]  vs.  hot [ɑ]

「イ」と紛らわしい母音 sit [ɪ]  vs.  seat [i:]

第8回

「ウ」と紛らわしい母音 pool [u(:)]  vs.  pull [ʊ]

「エ」と紛らわしい母音 met [e]  vs.  mate [eɪ]

「オ」と紛らわしい母音 bought [ɔ(:)]  vs.  boat [oʊ]

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