小学校教員が身につけたい 授業に自信を持つための英語発音講座(4)音変化の聞こえなくなる音

早稲田大学教育・総合科学学術院教授 折井麻美子

■聞こえなくなる音の現象とは

音変化現象の一つである「聞こえなくなる音」の現象は、発話上の省エネ現象で、英語の強勢リズムを保持するための工夫の一つである。子音が聞こえなくなったり、消えたりする現象で、速くくだけた口語でよく起きる。

■破裂音が聞こえなくなることが多い

聞こえなくなる音の対象になるのは破裂音が多いので、まずはその発音の仕方をみていく。

破裂音とは、口腔内で閉鎖を作って呼気が逃げないようにした後、閉鎖を勢いよく開放して出す音で、英語の破裂音は、p、t、k、b、d、gの6種類がある。英語の子音は通常、口の形を作ったらそのままで音を出すが、破裂音だけは口の形を途中で変化させて発音する必要がある。

破裂音は、発話上少なくとも三つの段階がある。

第1段階の閉鎖期では、閉鎖を作り、呼気が逃げないようにする。

第2段階の圧縮期には、閉鎖を持続し、呼気をためる。

第3段階の開放期には、閉鎖を勢いよく開放する。

音変化の「聞こえなくなる音」では、この第3段階の「開放期」を省略する。つまり、閉鎖を作って、空気をためるところで終わるので、空気をのみ込んだ感じの後、次の音に移ることになり、二つの単語がつながったように聞こえることが多いのである。

■語末の破裂音

例文の(1)~(3)のように、単語の最後にある破裂音は、ほとんどの場合、破裂しないで聞こえなくなる。

■破裂音+破裂音

(4)~(6)のように、単語の切れ目で破裂音が続いている場合と、単語内で破裂音が続いている場合、一つ目の破裂音が聞こえなくなる。

■破裂音+子音

子音が二つ連続し、一つ目が破裂音だった場合、その破裂音が聞こえなくなることが多い。

(7)の場合、単語の中で破裂音([d])と摩擦音([ʃ])が続いているので、先行する破裂音が聞こえなくなる。また、(8)では、最初の単語が破裂音([p])で終わり、次の単語が摩擦音([f])で始まるので、先行する破裂音が聞こえなくなる。

聞こえなくなる音は、速く砕けた口調のときによく起きる現象で、必ずしもやらなくても構わないが、日本語のくせで、「sleepu」「deepu」のように母音を入れてしまいがちだ。このような母音挿入を防ぐために、破裂させないで言う練習をすることも有用である。

◆連載内容対応動画はこちら:「英語の発音3(音変化:聞こえなくなる音)」

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