小学校教員が身につけたい 授業に自信を持つための英語発音講座(10)口の形をしっかりと保とう

早稲田大学教育・総合科学学術院教授 折井麻美子

■fan [f] vs. van [v]

今回も特に注意が必要な子音を見ていくことにする。

[f]は、上の歯を下唇のやや内側に当てて、歯と唇の隙間から呼気を出す摩擦音だ。隙間から空気を押し出す際に、唇の内側が少しくすぐったい感じがあればよい。日本語の「フ」は、口を自然に開き、やや平たい形で上下の唇の間から空気を出すので、混同しないようにする。

[v]は、[f]の有声音である。日本語にはない口の形を作るので、違和感からすぐに戻してしまいがちだ。最初は長めに出す練習をするとよい。

〈対比練習〉

2つの子音が入った単語例を(1)〜(3)で練習する。

次の(4)(5)の文には[f]もしくは[v]の子音が入っているので、各音の違いに注意して言ってみよう。

■this [ð]

[ð]は、[θ]の有声音で、舌の先を上下の歯の間から差し出し、隙間から息と声を出す。舌が十分に前に出されず、口の中にとどまってしまうと、[z]や日本語の「ズ」の音になるので注意する。

〈対比練習〉

この子音が入った単語例を(6)〜(8)で練習する。

次の(9)には[ð]の音が複数入っているので、口の形に気を付けて言ってみよう。

■lace [l] vs. race [r]

[l]は、上の歯茎部分に舌先をしっかりと付けて、舌の両側から声を出す。舌を固めにして押し付けるのがこつで、喉の奥で声を出すような気持ちでいるとよい。発音の際に、口の形を正しく作ることができても、すぐに日本語の「ル」のように口の奥に舌が戻りがちなので、最初の形を保つようにする。

[r]は、舌の根元を立てるようにし、さらに奥に引くような感じで喉の奥で声を出す。

もしくは、舌の後ろを左右の奥歯か奥歯の内側の歯茎に付けても出すことができる。どちらの場合も舌は固くしておく。舌を固くした上で、舌の上にビー玉を乗せるような気持ちで舌の中央から先をへこませるとうまくいきやすい。日本語の「ル」では、唇がやや平たい形のままだが、英語の場合には、唇の丸みを伴うことが普通である。

〈対比練習〉

二つの子音が入った単語例を(10)~(12)で練習する。[l]の場合には、舌の両側に空気の通り道が作られるが、[r]の場合には、空気の通り道は真ん中になるので、口の形に注意しながら発音してほしい。

次の(13)の文には2子音が入っているので、各音の違いに注意して言ってみよう。

(おわり)

◆連載内容対応動画はこちら:

「英語の発音8(子音[f, v] [ð] [r, l])」