学び続ける職員室―私たちは何のために職員室に集まるのか(2) 健全な対立に向かう

アソビジ代表 中川 綾

対立の先に居心地の良さや安心感がある。だが、そう思えない人たちがいることも想像できる。私自身が失敗をいろいろと重ねてきた。そこで、組織成長の要になる「混乱期」をどうしたら乗り越えていけるのかについて触れたい。

対立できる関係性に進むためには、連載第1回で説明した「形成期」に、コミュニケーションをどれだけ取れるかにかかっている。

量を増やすということは、基本的なおしゃべりを増やし、互いの人となりを知り、その人の背景を知るための会話を積み重ねていくことだ。お互いの情報や過去のデータなどをシェアし、その中の言葉の意味や考え方を伝え合うこともよいだろう。お互いを知る時間をどれだけ積み重ねられるかが大事である。互いを知るための時間に終わりはない。

コミュニケーションをたっぷり取れば取るほど、次のステップの混乱期に進むのが容易になる。お互いに「この人にこういう言い方をして伝わるかな」「ここまで言っても大丈夫かな」がなんとなく分かってくると、率直なやりとりが生まれやすくなる。すると、意見を対立させることもできる。

互いにコミュニケーションを積み重ねた安心感が、混乱期を乗り越えることにもつながる。組織の成長段階を示すタックマンモデルは、大人数のグループだけでなく、1対1の関係性に当てはめて考えることもできる。

一方、人によって安心感が得られるコミュニケーションの量は違う。

コミュニケーションを取りながら相手を知った気になっているだけの場合もある。実は、相手はコミュニケーションが全然足りていないと感じている。そんな中で、一方が意見を対立させても大丈夫と考えてコミュニケーションを取ると、相手はけんかをふっかけられている気になってしまう。このような状況は多々起こる。

混乱期を乗り越える際に、関係者のコミュニケーションを巡る経験値の違いは大きく影響する。そのため、対立を通じて良い結果を得た経験を持つ者などが、慎重にコミュニケーションを取っていくことをお勧めしたい。

簡単に人を知ることはできない。「私は安心」だから「相手も安心しているだろう」では、決してない。

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