高校英語教育と大学入試(3)実践的な英語力の育成


ココネ言語教育研究所所長、慶應義塾大学名誉教授 田中 茂範


 英語教育の高次の目標は、多文化共生時代を生きる上で必要になる主体性や多様性に向き合う力、協働する力を育てることである。平易な言葉で言えば、「たくましさ」と「しなやかさ」を備えた人間の育成だ。自分で考え判断し行動するというたくましさと、違いと向き合うしなやかさを育むことである。

 これを英語教育で考えると、たくましさは自己表現力、しなやかさは対話力ということになる。国連のアナン元事務総長は、2013年のカナダ・オタワでの演説の中で、「多様性は個性の現れであり、力の源泉だが、偏見や差別、紛争の原因でもある」と述べている。多文化が共生するには、非寛容や過激主義という問題を乗り越えるための対話が必要だと主張している。

 この高次の目標を前提に、英語教育の教科目標を設定しなければならない。……

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