学び続ける職員室―私たちは何のために職員室に集まるのか(4)対話の質を高める1

アソビジ代表 中川 綾

今回は、コミュニケーションの質を高めることについて考えたい。

組織のメンバーそれぞれが自立し、意見が対立していく「混乱期」では、コミュニケーションの質が大事になってくる。量を経て、質が変わってくる。つまりそれは「私たちはなぜここにいるのか」ということについて触れざるを得なくなるということである。「なぜ」を突き詰めて話し、だんだんと目指すところがぼんやりとでも形づくられていくことで、次の「規範期」へとステージが変化していく。

それでは、職員室で「なぜ」を考える機会はいつ、どこにあるのか。実は、学校にはその「なぜ」がすでにあるのに、多くの場合、そのことについて教職員でじっくり話し合う機会はほぼないのが現状だ。

私たち教職員はなぜ学校で働くのか。私たちは何のために教職員として働いているのか。それをすぐに言語化できる人がどれだけいるだろうか。そして、あなたの学校の「学校教育目標」を言える人はどれだけいるだろうか。

教育の目的は、教育基本法で次のように定められている。「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」。「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われる」ともある。

これらを受けて、各学校に「学校教育目標」が掲げられている。教育基本法について知らない教職員はいないと思うが、例えば「人格の完成」を目指すということはどういうことなのか、「平和で民主的な国家」とはどんな国家なのか、などをじっくり同僚と対話したことがあるだろうか。「学校教育目標」にあるだろう「自立」や「協働」などの言葉一つ一つについて、それらがどんな意味を持ち、そこに向かうためにどうしたら良いのか、などについて話す機会がきちんと設けられているだろうか。

目的や目標を暗記していることが大事なのではない。私たちがそれらを元に、職員室で対話を繰り広げているかどうかが、コミュニケーションの質を高めることになる。むしろ、それなしで「学校をつくる」のは無理と言っても過言ではない。

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