学び続ける職員室―私たちは何のために職員室に集まるのか(7)納得感ある役割を見つける

アソビジ代表 中川 綾

ほとんどの人は、誰かにやらされていると思いながら仕方なく働くより、自分の役割に納得して意義のある仕事をしたいと思っているだろう。そういう働き方ができる職員室をつくるために、私たちに何ができるかを考えたい。

混乱期における意見の対立を乗り越えると、だんだん組織での自分の役割が見え始め、役割に対して各人が納得感を持てるようになる「規範期」を迎える。職員室がそういう場になっているときは、自分たちのルールは自分たちで決められるようになっている。目的や目標も、自分たちで確認したり、決めたりできるようになっているだろう。

もちろん、校長や教育委員会、文科省が決める、変えられない(または変える必要のない)「目的」や「目標」もある。だが、目の前で起きる子供たちや同僚の目まぐるしい変化に対応するために必要なルールや目標は、自分たちで決められるようになる。対話の量が増え、質が高まっている状況で、誰がどのように考えているか、誰がどのように動きそうかといったことが、何となく分かるようになるからだ。

とはいえ、いつもうまくいくわけではないだろう。ただ、もしうまくいかないことが起こったとしても、全員でつくり上げた「諦めずに対話する文化」が、メンバーの背中を押してくれる。

「ルールを決める」というと、堅苦しい校則のようなものを思い浮かべるかもしれないが、ほんのささいなことでいい。例えば、「居心地の良い職員室をつくるためにどうしたらよいか」について全教職員で考えてみたとしよう。

「職員室の後ろに憩いの場になるスペースを設ける」という案が出たら、「お茶菓子は毎月1人100円ずつの寄付を募って、そのお金で購入する」「誰が購入するかは毎月担当を変える」などのルール決めが必要になる。それらの決定に職員室のメンバー全員が関わり、対話を積み重ねるうちに、職員室のことが「自分ごと」になっていき、集団の中での自分の役割が見えてくるようになる。

こうした積み重ねは、面倒なこともある。だが、「私にとっても仲間にとっても居心地の良い場所をつくる」という目的さえ共有されていれば、納得感のある役割を見つけられるに違いない。そのために、まずは「自分ごと」として関わろうと決めてしまうのも良いだろう。自分のことを自分で決められるのは、誰にとっても幸せなことなのだ。

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