学び続ける職員室―私たちは何のために職員室に集まるのか(9)ファシリテーションを取り入れる

アソビジ代表 中川 綾

「学び続ける教員が、学び続ける職員室をつくる」ためには、職員室にいる教職員同士が、共に振り返りを継続できる関係性であるとよい。ただおしゃべりを重ねていくだけでも、今日1日教室で起きた出来事や、授業中の迷いについても自然と話せるようになり、自分とは違う視点が得られることも多い。

つまり、これは「穏やかな混乱期」とも言える。「目の前で起きている現実」として子供たちの様子を話すことで、学びの場が生まれやすくなる。そしてそれは、どちらか一方のためのリフレクションとはならず、互いにとっての学びの場となるのだから面白い。

対話しながらのリフレクションには、いくつかの方法がある。10分ほど時間を取って、お茶を飲みながら直接おしゃべりをする。ノートやメールに書いて、交換日記のようにやり取りする。チャットでポンポンとおしゃべりするようにやり取りする。このように「言語化」でき、互いの考えをやり取りできれば、どんな方法でもよい。

それらを実践するとき、ファシリテーションについて学んでみるのもいい。関連書籍がたくさん出ているので参考にしてほしい。目的や目標を確認した上で、相手の活動の支援促進につながるよう、話をじっくり聞き、話の整理整頓をしたり、問いを投げ掛けたり、共に考えたり。ファシリテーションの手法を取り入れることで、リフレクションが深まっていく。これを意識的に実践する人を、私は「リフレクションの伴走者」と呼んでいる。

教職員が仕事について話すとき、内容に個人情報が多く含まれる場合もある。外部に漏れないような、安心できる環境が必要だ。私は、このパーソナル・ファシリテーションを実施するためには、各自がファシリテーションについて学び、体験することが重要だと思っている。教職員個人の学びだけでなく、職員室での対話の質の向上のためだ。

さらに、教室で子供たちと関わる際に活用できる技術にもなる。もちろん技術だけではなく、他者と関わる際の相手への敬意、支援促進とは何かについても、同時に考えなければならない。
ファシリテーティブな考えや技術を学ぶことは、答えが一つではない学びが始まるのと同じだ。そして、職員室でそれが実現すれば、間違いなく学校全体も変わっていく。

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