いじめのエビデンス(5)スポーツといじめの関係


子どもの発達科学研究所主席研究員 和久田 学

2018年ほどスポーツ界がニュースで取り沙汰された年はなかったかもしれない。良い話題もたくさんあったが、ここで注目したいのは「いじめ」に関するものだ。部活でのいじめを示唆する中高生の自殺事案をはじめ、大学生や社会人のスポーツクラブでも、監督やコーチ、関係団体の指導者が行ったとされるパワハラの報道が目についた。

残念なことに、スポーツといじめは悲しいほど相性が良い。つまり部活動であろうと、大学生や社会人のスポーツクラブであろうと、スポーツの世界ではいじめやハラスメント(これもいじめの範囲に入る)が起こりやすく、しかも深刻化しやすいのである。理由は二つある。アンバランスパワーとシンキングエラーだ。

アンバランスパワーとは「力の不均衡」と訳され、欧米諸外国のいじめ研究における学術的ないじめの定義に含まれるもので、いじめの加害者と被害者には必ず力の差があることを意味する。……

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