逆境に負けない心 レジリエンスを身につける(1)レジリエンスとは何か

(一社)日本ポジティブ教育協会

昨今、子供たちの「レジリエンス」(逆境に負けない心)を育てる重要性が、世界的に高まっている。レジリエンスは、ポジティブ心理学の研究の一分野で、研究を教育に応用した「ポジティブ教育」の中でも重要とされている。ポジティブ教育とは、成績に偏重しがちな学校教育の中で、子供たちが幸せで、有意義な人生を送るために行う教育である。欧米では、教育カリキュラムに取り入れている学校も数多くある。

レジリエンスとは、人間の持つ心の回復力である。現代は大人だけでなく、子供たちもかつてないプレッシャーとストレスにさらされている。勉強や友人関係のストレス、いじめを中心とする学校での問題、家族との問題など、それぞれがより深刻化、複雑化している。私たちはストレスにさらされると、精神的にダメージを受け、悲しみ、怒り、挫折感などネガティブな感情を抱えて苦しくなることも多い。しかし人は心にダメージを受け、もう立ち直れないと思っても、傷を抱えながら前に進んでいくのだ。

当協会では、小学生から大学生までにレジリエンス教育を実践している。授業で「レジリエンスが高い人というと、誰を思い浮かべるか?」と質問すると、両親と並んで、プロのスポーツ選手や有名人を挙げる子供たちが多い。スランプに陥っても前向きに努力する姿や、世間からバッシングを受けても気丈に振る舞う姿を想像するようだ。

このように一見、何が起きてもびくともしない心を「ハーディネス」と呼び、このような心の力を持つ人も当然いる。いわゆる「折れない心」である。しかし時代の変化は大きく、想定できないような災害や事故が起こり、どんなに強い心を持っているように見えても、折れてしまうことが多いのも事実である。たとえ一度心が折れてしまっても、また立ち直っていくしなやかさ、レジリエンスが求められる時代になったのだ。

これから、さまざまな場面で子供たち、そして子供たちをサポートする大人のレジリエンスをどのように育てていくのか、実践的な方法をお伝えする。

(足立啓美)

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一般社団法人 日本ポジティブ教育協会

一人一人が幸せにたくましく生きる力、子供たちが意欲を持って学び続ける力の育成を目指し、レジリエンス教育を含むポジティブ教育の普及に努める。日本の子供たち、保護者、教員向けに、ポジティブ心理学をベースとしたレジリエンス認定トレーナー養成講座や強み共育コーチ養成講座など、研修を企画・開催。顧問:イローナ・ボニウェル博士。