逆境に負けない心 レジリエンスを身につける(3)心の筋肉を鍛える①

(一社)日本ポジティブ教育協会

今回から2回に分けて、心の筋肉(レジリエンス・マッスル)とその鍛え方を紹介する。

人生には困難や逆境がつきものだ。その状況に陥ったとき、少しでもダメージを軽減し、うまく乗り越えられるようにするためには、日々の備えが大切になる。それは、スポーツ選手が大会本番で素晴らしいパフォーマンスを発揮できるように、「必要な筋肉」を「適切なトレーニング」で鍛え続けることと似ている。筋肉痛にめげず、無理をしすぎることなく、地道に取り組み続けるからこそ、効果は表れてくる。

レジリエンスを予防的に高めておくには、四つの筋肉があると言われている。

I have(私が信頼できる人は○○さん)、I am(私の強みは○○)、I can(私は○○のように困難や逆境を乗り越えられる)、I like(私は○○が好きだ)――だ。

第1の筋肉は「I have」だ。他者とのポジティブなつながりが重要であることは、数々の研究によって裏付けられてきた。困難や逆境に陥ったとき、つながりが「ソーシャルサポート」として自分を助けてくれる。

まずは普段、自分がどんな人たちとどのような関係を築いているのか。中でも自分が特に信頼できる人は誰なのか、などをマップで視覚的に表現してみよう。その上で今後、どの人とどんな関係を築いていきたいかを考え、実行に移してみる。その際、必要なソーシャルスキルを学ぶことも重要になる。付き合いが多ければ良いというものではなく、太くて深いポジティブなつながりを日々しっかりと育んでおく。

第2の筋肉「I am」は、自分の強みをいろいろな角度から発見・理解しておくことだ。自分の強みは意外と気付けていない。強みを発見する最も手軽な方法は、自分をよく知る人に聞いてみるというものである。

例えば「私の実力を発揮できるのは、どんな状況だと思うか?」「あなたが見た、私の実力を発揮できた具体例は?」といったことを聞いてみよう。大抵、エピソードの中から強みを見いだすことができる。自分の強みを基盤にして「自己肯定感」を高め、「自己理解」を深めておく。これが困難や逆境への耐性を強め、それらを乗り越える際の足場づくりにつながる。日々の生活でいかに発見した強みを使い続けるか、工夫を習慣化することが最大のポイントだ。

まずはこれら二つの筋肉を意識して、日々の生活を送ってみてほしい。残り二つについては次回紹介する。

(緩利誠)