授業で実践 学びのファシリテーション(9)教員研修の場でも実践

ファシリテーター 青木 将幸

子供たちとのジェットコースターのような45分間を終えた後、下校の時間となる。よくしゃべる友人の教員は「せっかく来てもらったんだから」と、教員研修もセットにしてくれた。なかなか人使いの荒いヤツだ。

筆者は気を取り直して、次の学びの場をつくる。教員研修の時間では、ファシリテーションについて、まず「知っていることと知りたいことのワーク」を行った。手順は以下の通りだ。

「知っていることと知りたいことのワーク」の手順

1. 配られたA4の用紙を半分に折って、右と左のゾーンを分ける線を真ん中に引く。

2. 左上に「知っていること・分かっていること」と書き、右上に「分からないこと・知りたいこと」と書く。

3. 今回扱うテーマ(この日であればファシリテーション)を提示し、それについて知っていることを左側の欄に、分からないことや知りたいこと、質問したいことなどを右側に書いてもらう。

4. 書き終えたら、各人が書いた内容について少人数で話し合う。

5. その後、全体で討議する。

このワークは、何か新しいことを学ぶ場面でよく活用する。ファシリテーションに関しては、詳しい教員もいれば、全く予備知識のない教員もいる。筆者と子供たちの様子を見学した人もいれば、今教室に入ってきた人もいる。そういう場面で、ちょっとした「地ならし」をするためのワークだ。

今回は「ファシリテーションについて、知っていること・知りたいこと」をテーマとしたが、これが「エネルギー」や「江戸時代」、あるいは「カンガルー」であっても成立する。学びに入る前の導入のワークは、学習者たちが、現時点でどのような知識やイメージを持っているかを出し合い、どんなことに興味・関心があるかをつかむプロセスと言える。

ファシリテーションについて「知っていること」には▽まとめ役▽話し合いの進行役▽促進する行為▽会議をスムーズに進める人▽カタカナで日本に定着していない▽学び合い活動の担い手▽付せんを使って何かするワークショップ▽構成的エンカウンター――といった項目が挙げられた。筆者はこれらをホワイトボードに書き写し、読み上げていく。その上で「○○小の教員の皆さんが、本日の研修で知りたいこと、聞いてみたいことは何ですか」と尋ねてみた。「どんなことでも、遠慮なくどうぞ」と水を向けると、衝撃の質問が飛んできた――。