逆境に負けない心 レジリエンスを身につける(8)保護者を巻き込む

(一社)日本ポジティブ教育協会

学校や特別支援教育の中でレジリエンス教育を行う場合は、養育者(保護者)を巻き込むことが非常に重要である。

なぜなら子供にとって養育者は、最も影響力が大きい環境要因だからだ。

そして、生まれてから誰よりも長い時間子供を観察し、その子供の幸せを願っているのもまた、養育者のはずである。

学校や特別支援教室でレジリエンス教育を受け、レジリエンスを育み、高めても、家庭が安心できる癒しの場でなければ、子供のレジリエンスの高まりは持続できない。それどころか、たちまち低下してしまう。

例えば、養育者からネガティブな言葉ばかり掛けられたり、養育者自身が常に疲弊していて、子供の不安やストレスに気付けず、勇気づけたり励ましたりできない場合がそうだ。

養育者にレジリエンスや、心の健康に意識を向けてもらうことで、子供のレジリエンスは何倍も速く、強く育つ。それゆえ、養育者を巻き込むことが重要なのだ。

具体的な方法を二つ挙げる。

一つ目は、お便りと宿題を活用して巻き込む方法である。授業の数日前に、レジリエンスの概念や定義を盛り込んだお便り(学級通信など)を配布する。そして授業終了後は、養育者と行う簡単なワークを宿題にする。

養育者は事前に配布されたお便りを読んだ上で、授業で学んだ内容を子供に教えてもらいながら、一緒にワークを行う。これは比較的簡単で、有効な方法である。

二つ目は、レジリエンスの授業に養育者が参加できるようにする方法である。教員は養育者と子供の気持ちを引き出し、言語化を助け、ファシリテーターとなって授業を進める。

教員が行うのが難しいようなら、外部講師を依頼して「親子レジリエンス・ワークショップ」、あるいは養育者向けの「レジリエンス講演会」を開催してもよいだろう。養育者に直接アプローチできるため巻き込みやすく、子供へのレジリエンス教育も容易になる。

子供は新奇性(目新しさ)を好み、「レジリエンス」という新しい言葉を楽しんで吸収する。

養育者を巻き込むことで「レジリエンス」が養育者と子供の共通言語になる。そうすれば、相互にレジリエンスを育み、高め合うことも可能になるのである。

(小林美佐子)