教師が今すぐ実践できる時短術(1)教師に「時短」が必要な理由

東京都調布市立多摩川小学校教諭 庄子 寛之

今年1月25日、文科省内に「学校における働き方改革推進本部」が設置されました。教師の働き方について世間の関心が高くなっている証拠だと考えています。

現役の現場の教師として、年々忙しくなってきている実感があります。外国語科の導入や道徳の教科化、教育活動全般を通して進める人権教育・消費者教育・キャリア教育など、挙げたらきりがありません。

そのような中、現場の教師は政府の施策をただ待つしかすべはないのでしょうか。

私は、基本的に定時に帰ります。もちろん仕事は山のようにあります。それでも帰れますし、帰ります。それには、教師という仕事への価値観が大きく影響していると考えています。

先ほども言った通り、仕事は山のようにあるのです。どれも同じエネルギーでやっていたら、終わるものも終わりません。「大変だ」とみんなで嘆き合っていても終わりません。決して、遅くまで残っている人が怠慢というわけではありません。むしろ丁寧だからこそ、遅くまで残るのです。

しかし、世間は過程ではなく、結果を評価します。遅くまで残っているから評価されるのではなく、よい授業、よい学級をつくった教師が評価されるのです。だからこそ、効率のよさが必要不可欠です。

また、人間として筋の通った魅力ある人たちは、往々にして仕事以外の勉強もしています。ただ目の前の仕事に追われ外の世界を学ばない人には、これからの変化の激しい時代を生き抜くための教育はできないと思います。

教育は変わらなくてはならない。教師はもっと社会から学ばなくてはならない。それは、子供を取り巻く社会が劇的に変わっているからです。

知識の詰め込みなら、AIに勝つことはできません。知識を伝達する教育から、真の学びを受けられる教育に変えていかねばなりません。そのために教師が教育の未来を見通して、研鑽(けんさん)を積む時間を確保する必要があります。

そして、この日本という国を継続・発展させていくためにも、いま教育を変え、その教育を支える教員の考え方を劇的に変える必要があると考えています。さまざまな方の話を聞いて、「教師が教師の仕事に追われない」世界をつくっていかなくてはならないと、改めて思いを強くしているところです。

この連載では、個人でできる時短術を紹介していきます。教師という職業を心の底から楽しめる人が一人でも増えることを願って書いていきます。