主体的・対話的で深い学びを実現するパフォーマンス評価(1)学びに向かう力の育成

京都大学大学院教育学研究科教授 西岡 加名恵

2017、18年の学習指導要領改訂では、変化する社会を生きる上で必要な「資質・能力」を育成するために、「主体的・対話的で深い学び」を実現する視点からの学習過程の改善がうたわれた。

また、「資質・能力」のバランスがとれた学習評価を行うために、パフォーマンス評価の導入が推奨されている(中教審答申、16年12月)。この連載では、「主体的・対話的で深い学び」を実現する上で、どのようにパフォーマンス評価が活用できるのかを紹介していきたい。

パフォーマンス評価とは、知識やスキルを使いこなすことを求めるような評価方法の総称である(図参照)。中でも、さまざまな知識やスキルを総合して使いこなすよう求める複雑な課題を、パフォーマンス課題という。パフォーマンス課題には、レポートなどまとまった作品を求めるものや、プレゼンテーションなど一連のプロセスの実演を求めるものがある。

幅広い知識やスキルを習得しているか確認するには、筆記や実技テストが有効である。しかし、特に重要な概念やプロセスを何らかの問題解決場面で使いこなせるレベルにまで深く理解し、身に付けているかを確認するには、パフォーマンス課題を活用する必要がある。

パフォーマンス課題は、実技や芸術系の教科では当たり前に取り入れられてきた。未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力」を保障していくには、これまでテストで評価されてきたような教科でも、パフォーマンス課題を開発、活用していくことが重要だろう。

ポートフォリオとは、ファイルや箱に系統立てて蓄積する、子供の作品や自己評価の記録、教師の指導と評価の記録などを指す。ポートフォリオ評価法とは、ポートフォリオ作りを通して、子供が自らの学習の在り方について自己評価するよう促すとともに、教師も子供の学習活動と自らの教育活動を評価するアプローチである。

ポートフォリオ評価法もパフォーマンス評価の方法の一種であるが、テストも作品として収録する場合があるため、図では点線で全体を囲む形で表している。ポートフォリオ評価法については、とりわけ「学びに向かう力」の育成を図る上で意義深いと考えられる。


【プロフィール】

にしおか・かなえ バーミンガム大学でPh.Dを取得。カリキュラムや評価について研究。文科省の「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」委員などを務める。