主体的・対話的で深い学びを実現するパフォーマンス評価(2)国語・英語のパフォーマンス課題

京都大学大学院教育学研究科教授 西岡 加名恵

今回からは各教科のパフォーマンス課題を紹介しよう。まず国語や英語の場合、まとまった文章を書く、まとまった内容を話す、グループで話し合うといった活動がパフォーマンス課題になり得る。読んだことを生かして、これらの活動に取り組む場合もある。詳細は『「資質・能力」を育てるパフォーマンス評価』(明治図書、2016年)を参照いただきたい。

質の良いパフォーマンス課題を作るには、各教科の中核に位置するような「本質的な問い」に対応させるとよい。国語や英語であれば、「どのように伝えれば/書けばいいのか」といった包括的な「本質的な問い」が繰り返し扱われる。

これを意識しつつ、単元の教材に即したより具体的な「本質的な問い」を設定する。さらに、単元の「本質的な問い」を子供たち自身が追わざるを得ないような状況を設定して、パフォーマンス課題のシナリオを作る。

子供の作品例(京都市立梅小路小 山口信也教諭の実践から)

例えば、小学校4年生の教科書(光村図書)には、「アップとルーズで伝えよう」「『クラブ活動リーフレット』を作ろう」という教材がある。京都市立梅小路小学校の山口信也教諭は、二つの教材を組み合わせて、「クラブ活動の様子を3年生に分かりやすく伝えるためには、どのような文章や資料を用いるべきか」という「本質的な問い」を追究する単元を設定した。さらに、実際に3年生を勧誘するため、クラブ活動の魅力を紹介するリーフレット(図)を作る課題も出した。

切実な状況設定をしたことで、子供たちは積極的に学習に取り組むようになった。専門家として実際にさまざまなリーフレットを作っている編集者に話を聞く機会も設けた。これらにより、子供たちはアップとルーズの写真を使い分ける資料の効果的な活用方法や、リーフレットを分かりやすくする推敲(すいこう)の仕方を学んだ。

パフォーマンス評価の背景には、「真正の評価」論という考え方がある。これは、現実世界で人が知識や能力を試される状況を模写したり、シミュレーションしたりする機会を通して評価することを主張するものだ。

リアルな状況設定によって子供たちに学ぶ意義を伝え、動機付けを促し、主体的な学習を引き出せる。さらに、実社会で発揮できる実力も身に付けさせることができるのである。

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