問題行動が激減する MLAの理論と実践(10)学校不適応の理解と支援

MLA研究開発者会議

学校不適応行動は、日常の小さなネガティブ体験・感情の積み重ねによって心が傷つき、頑張るパワーがなくなってしまった子供たちのSOSと言える。一生懸命頑張ってきて、自分ではどうしたらいいのか分からない状況まで追い込まれ、助けを求めている状態なのだ。

心がネガティブな感情でいっぱいになると、ある子は「もう無理」と自分の殻に閉じこもり(アクティングイン)、またある子は「やってられないよ」と社会的規範を無視した行動にでる(アクティングアウト)。

アクティングインする子はネガティブ感情を身体化し、不登校などの非社会的不適応行動を起こす。アクティングアウトする子は行動化し、非行などの反社会的不適応行動を起こす。不登校から引きこもりに移行する例も多く、平均引きこもり年数は10年を超えるという。

非社会的不適応行動

では、これらの不適応行動を未然に防ぐためには、何が必要なのか。まずはクラスの子供の特性や学校適応感をアセスメントし、ハイリスクな子を把握する必要がある。特に発達障害傾向や他の子供たちとは違う困難さを持った子、愛着障害が疑われる子は、日常的にネガティブ体験を繰り返している可能性が高いので要注意だ。

次に、さまざまな特性や多様な価値観を認め合い、助け合って、学んだり活動したりできる学級集団づくりが大切である。不適応行動は、起きてしまってから三次支援で対応というケースが多いが、その前に友達同士で支え合える関係(ピア・サポート)を構築できれば、三次支援で膨大なエネルギーを使わずに済む。

MLAでは三次支援の必要な子供に対して、どのように一次支援や二次支援をしていけばよいかを考え、一次から三次の統合的な支援を展開する。

不登校をはじめ、学校不適応行動は後を絶たない。より良い二次・三次支援のためには、「最近あの子ちょっと変だ」と思ったら担任や学年が抱えこむのではなく、生徒指導・教育相談・養護教諭・特別支援など、さまざまな専門性やパーソナリティーを持った教職員が集まり、チームで適切な見立てをする。ケースによっては保護者や管理職、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの協力を得る。

また、必要があれば地域の専門機関とも連携する。病院で診断が付いても、医師やカウンセラーに任せっきりにせず、チーム学校で、一人一人の特性に合ったより良い支援を模索し続けること、それがMLAにおける三次支援である。

 (弘前医療福祉大学教授 小玉有子)