主体的・対話的で深い学びを実現するパフォーマンス評価(6)ルーブリック作りの手順

京都大学大学院教育学研究科教授 西岡 加名恵

前回まで、いくつかの教科でどのようなパフォーマンス課題が開発されているかを紹介してきた。「本質的な問い」に対応させた魅力的なパフォーマンス課題を開発できれば、思考力・判断力・表現力の発揮を促し、深い理解を保障する一助になるだろう。

さて、パフォーマンス課題を実践し始めた先生方が次に悩むのが、課題によって生み出された作品や実演をどのように評価すればよいのか、という点だろう。

パフォーマンス課題は複雑で総合的な課題であるだけに、その作品や実演はマルかバツかの2区分では評価できない。そこで用いられるのが、ルーブリックである。

ルーブリックとは、成功の度合いを示す数段階の尺度と、各段階(レベル)に対応するパフォーマンスの特徴を説明する文章(記述語)から成る評価基準表である。

課題「私が尊敬する人」のルーブリック

表に示したのは、中学校の英語科で作成されたルーブリックの一例である。後輩たちに「私が尊敬する人」について紹介するメッセージを英語で書くという課題に対応して作られた。

このような課題に対応するルーブリックは、一般的に次のような手順で作られる。

①パフォーマンス課題を実施し、学習者の作品を集める

②パッと見た印象で「5 素晴らしい」「4 良い」「3 合格」「2 もう一歩」「1 かなりの改善が必要」のように数レベルで採点する。複数人で採点する場合は、評点を書いた付せん紙を作品の裏面に貼るなど、お互いの評点が分からないように工夫する

③付せん紙を作品の表に貼り直し、レベル別の作品群に分ける

④それぞれのレベルに対応する作品群についてどのような特徴が見られるかを読み取り、話し合いながら記述語を作成する

⑤一通り記述語ができたら、評価が分かれた作品について検討し、それらも的確に評価できるように記述語を練り直す

⑥必要に応じて評価の観点を分け、観点別ルーブリックにする。

①~⑥の手順でルーブリック作りに取り組めば、評価基準が明確になり、教員間の共通理解を図ることができる。子供の理解の深まりやつまずきなども明瞭に捉えられる。

重要なのは、学習の実態を踏まえながら、指導の改善を図っていくことである。ルーブリックには、各レベルに対応する典型的な作品例を添付しておくといいだろう。

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