主体的・対話的で深い学びを実現するパフォーマンス評価(7)指導の組み立てを考える

京都大学大学院教育学研究科教授 西岡 加名恵

パフォーマンス課題を実践するに当たって、指導をどのように組み立てればよいのだろうか。指導上のポイントを三つ紹介しておこう。

第一は、指導の初めに見通しを示すことである。パフォーマンス課題は通常、単元末のまとめの課題として位置付く。だが、子供たちには単元の初めに「単元末までには、この課題に取り組むよ」と示す方がよい。

例えば、現実に人々が直面している問題(貧困や環境問題)を示し、「この問題を解決するために必要な知識(経済や政治、生態系に関する知識など)を身に付けていくよ」と明示した上で知識を伝え、考える機会を与える。その方が子供たちは学ぶ意義がよく分かり、記憶も定着しやすいだろう。

これまで一般的だった「基礎を身に付けた上で応用課題に取り組ませる」イメージから、応用(課題)を見通しつつ、基礎を身に付けさせる発想に転換するのである。

指導の構造化―パフォーマンス課題の位置づけ(西岡加名恵編著『「逆向き設計」で確かな学力を保障する』明治図書、2008年)

第二に、パフォーマンス課題に取り組む際に必要となる基礎(知識・スキルや理解)を身に付けさせる指導の組み立てである。必要な要素(パーツ)を習得させた上で総合させたり、同じ課題に繰り返し取り組んだりして、レベルアップを図ることが求められる(図)。

例えば、理科の「物質を識別する実験を計画・実施・報告する」という課題であれば、物質の識別に使える知識、また実験の計画の仕方や記録の取り方、考察の書き方といった要素を身に付けた上で課題に取り組む。スピーチの課題であれば、繰り返し機会を与えて実力を高めていく。このような指導の構造化は、単元内のみならず、単元間で図られる場合もある。

第三は、子供たちに自己評価力を身に付けさせる指導である。課題に取り組む子供自身に、どのようなポイントに気を付けて取り組むのが重要かを理解させる指導が求められる。具体的には、パフォーマンスの事例を比較するような検討会や、お互いのパフォーマンスを相互評価する機会を設ける指導が行われている。

評価基準であるルーブリックを示す指導が行われる場合もあるが、その際も事例と共に示すなど、具体的なイメージをつかませる指導が有効である。

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