主体的・対話的で深い学びを実現するパフォーマンス評価(8)大学入試との関係

京都大学大学院教育学研究科教授 西岡 加名恵

パフォーマンス評価を紹介すると、「パフォーマンス評価で育てようとしている力は、生きていく上で確かに重要なものだが、果たして大学入試に対応できるのか」という疑問の声を投げ掛けられることがある。そこで今回は、大学入試とパフォーマンス評価との関係を整理しておこう。

周知の通り、現在、さまざまな形で大学入試改革が進められている。例えば、大学入試センター試験に代わって導入される大学入学共通テストでは、マークシート式だけでなく自由記述式の問題を含むことが予定されている。2016年には東京大学で推薦入試、京都大学で特色入試(AO入試)が導入されたことも衆目を集めた。

一連の大学入試改革の基本方針を示したのが、高大接続システム改革会議である。同会議の16年3月の最終報告では、①知識・技能②思考力・判断力・表現力③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度――という3要素を入試で評価する方針が示された。

具体的には▽大学入学希望者学力評価テスト(後の大学入学共通テスト)の結果▽自分の考えに基づき論を立てて記述させる評価方法▽高校時代の学習、活動歴、調査書▽エッセイ▽大学入学希望理由書、学修計画書▽面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション――などの評価方法を用いて評価する。

パフォーマンス評価の目的は入試対策ではなく、あくまで子供たちに生きて働く力を付けるためである。だが、入試で自分の考えを表現する評価方法が多用されること自体は、パフォーマンス評価とも親和性が高い。

「学びの報告書」のポートフォリオを掲げる

京都大学教育学部の特色入試では、第1次選考で「学びの報告書」や「学びの設計書」を審査する。学びの報告書には、関連する成果の資料をファイル一つ分添付できる(写真)。これは実質的なポートフォリオである。

実際にポートフォリオの作成に取り組んだ学生たちは「さまざまな活動をまとめてみることで、活動の間にあったつながりや自分の特長に気付いた」「自分が達成できたことや価値観の変化にも気付き、将来、挑戦したいことを思い描けた」と述べている。

ポートフォリオを活用した入試は、それ自体に教育的な効果が期待できると言えるだろう。

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