発達障害を抱えた子の可能性を伸ばす指導(2)高校進学における課題

明蓬館高等学校校長 日野 公三

学習意欲を持つ発達障害の生徒たちは、一度は全日制高校への進学を希望するが、彼らが必要とする「個別的な配慮」と「対応」ができない学校側の事情により、入学が許可されないケースがある。

高校進学者全体の中で、発達障害がありながらも高校への進学をかなえた生徒の数はわずか2.2%である(2009年、特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議・高等学校ワーキング・グループの報告)。

仮に進学できたとしても、特異な障害特性・認知特性・学習特性があるために不登校や引きこもりなどの二次的障害をひき起こしやすく、高校生活からの離脱を余儀なくされるケースも多く見られる。

生徒のほとんどが全日制高校を選択することもあって、彼らは学校側が設けたレールや進路指導に組み込まれざるを得ない状況に置かれる。彼ら自身もやっていける自信がないと言いながら、全日制に対する憧れがあり、進学を希望する傾向がある。

しかし中学校の高校進路指導の現場では、標準偏差値や内申点で機械的に進路が決められてしまう印象があるのも事実だ。

定時制高校は、今は3部制になっている。チャレンジスクールと名を変え、内申書要らずの学校さえある。夕方からの登校も可能で、クラスルームのわずらわしさを回避できるようにもなっている。随分と柔軟性が増している。

生徒自身が「したいことがある」「たまに学校に行けばよい」「クラスルームがあるようでない」「通学は朝と昼、どちらでも選べる」といった点を重視するならば、通信制高校の方が自由度は高い。

特別支援学校の高等部は、よくその中身を知らないまま入学すると、後になって普通教科・科目の履修が十分にできない、あるいは高卒資格が得られない(※)ことに気付くケースもある。

特に、学び続けたい、好きな勉強があるという生徒は、その意欲に応える環境が用意されていないため、悶々(もんもん)としてしまうことがある。中学校でなかなか勉強できなかったから、高校では頑張ろうと思って入学した生徒が、後にショックを受けるという例もある。

発達障害がある子供の高校進学における最大の課題は、全日制高校に特別支援学級や通級指導学級がないことだ。義務教育ではないため、基本的には普通学級である。仮に進学できたとしても、そうした環境下でどれほどの障害特性・認知特性・学習特性の配慮をしてもらえるかは分からない。

※特別支援学校の中には高校教育課程に基づく単位の取得が可能な学校もある。全日制高校(普通科、工業科、商業科など)の一部では、特別支援学級設置の特例的な研究開発を行うプロジェクトも進んでいる。よく調べてみることを勧める。