学級問題を解決する エンカレッジシート(5)生徒のつながりが深まる

北海道公立学校スクールカウンセラー 青沼 眞弓

エンカレッジシートは、学級で起きた単独の問題に対しては学級内で一斉に実施する。学年全体に関わる問題の場合学年で一斉とするが、基本は学級であり、起こった問題が学級にどう影響するかの視点を優先する。

対象は中学生である。小学校高学年や高校生にも使用できるが、その場合は児童生徒のエンカレッジシートの理解力や問題の状況を考慮して行う。

一連の取り組みの流れは、①シートの作成②配布③匿名による生徒の記入、回収④四つの問いの回答のまとめ⑤掲示――である。実施時間は40分(生徒の記述30分)。実施者は担任1人とする。

エンカレッジシート

例を見てみよう。このシートは「授業に集中できない?」がテーマになっている。「テーマ」と「例えば……」の部分は担任が記入する。「テーマ」は指示、命令調ではなく「○○かな?」のように問い掛ける形で生徒の自発性を導く。

「例えば……」には、「テーマ」について実際に起こっている問題を具体的に三つ以内で提示する。その際、「テーマ」と「例えば……」の事例がつながるよう検討する。四つの問いは、提示順と問いの一字一句をそのまま用いる。

シート回収後はまとめを作成する。まとめは項目ごとに生徒らの回答のまま全て入力する。回答に個人名が含まれていた場合は保護のために削除するが、文言は学級へのメッセージとして残す。どのような回答でも教師の判断で削除する、文言を変えるなどの編集はしない。

生徒へのフィードバックはスピードが重要なので、まとめの掲示は翌日か遅くても2日以内に行う。模造紙大に拡大し、教室前の廊下に3日から7日間掲示する。その間、教師は生徒の反応や生徒間の交流などを見守り、行動観察をする。繰り返しになるが、勇気づけは個別ではなく、学級全体に行う。

生徒がエンカレッジシートの取り組みを体験することにより、学級の問題を自分たちで解決する自覚が生まれる。生徒のつながりが深まり、学級への所属意識や、集団内のモラルに対する意識の醸成が期待される。

詳細は『学級づくりにもアドラー心理学を―これ1枚で学級の問題が解決できるエンカレッジシート』(鈴木義也・青沼眞弓編著、学事出版)を参照いただけると幸いである。