「書く力」で子供を伸ばす(1) 子供のマインドを変える

関西学院初等部教諭 森川正樹

「書くこと」は自分を確立すること

子供たちに「書く力」を付けることは、子供の学びの根幹を支えることになり、必須である。「書ける」ことは「教室の中での自分を確立する」ことだと実感している。話し合いをするには「書いたもの」がベースとなる。考えをまとめるにしても「書き表す」ことができなければ残せない。

自分がそこ(教室)に存在し、考え、発言するための礎となるのが書く力なのである。 そのために教師は常に「教室の子供たち全員が書ける」意識を持っていなければならない。求めるのは、全員の子供が書ける、それも喜々として(「危機」ではない)書こうとする姿。

本連載では、子供たちが喜々として書こうとする姿を実現するために必要な具体的方策について述べていく。書くことを味方に付けた子供たちが、自分の思考を縦横無尽に働かせ、良き学び手として羽ばたく姿を真剣に追い求めたい。

最初のミッションは、「マインドを変える」である。

マインドリサーチ

例えば6年生で書くことが苦手だと思っている子は、「書けなかった」思いが6年間積み重なって、「自分は書けない、書くのが苦手」というマインドに支配されている。われわれ教師はそこを変え、「自分は書ける」という確固としたマインドを確立させる必要がある。

まず、クラスの子たちが書くことに対してどれくらい反応できるのかをリサーチする。授業や終わりの会で用紙を配布して「今日の日記(振り返り)」を書かせてみる。ここではあえて特に指導せずに(気がとがめるが)、「今日1日で、何か思ったことや感想を書いてごらん。今日を振り返ってごらん」と声を掛ける程度にとどめる。

書き始めたら、教室の全体の様子を俯瞰(ふかん)する。すると必ず、なかなか書き出せない「ワンクッション以上置いてしまう子」が存在するはずだ。そういう子が何割くらいいるのかをざっと把握する。

次に、書かれたものから書くのが苦手とおぼしき子を把握する。
観点は以下だ。

0 名前が汚い

1 字が読めない

2 段落や句読点がない

3 2~3行しか書けない

4 文意が読み取りにくい

5 テーマと合っていない

これらの状態が複合してみられたら、その子は「書けない」子である。この日記を2~3回書かせれば、書くことに対するクラスの状態が見えてくる。

それらを経て、あなたのクラスの「書くことの状況」を次のように大別する。

①半数あるいは半数以上が書くことに抵抗あり

②一部書くことに抵抗あり

③おおむね書くことに抵抗なし

次回はクラスの状態別「書ける!マインド確立法」について述べたい。