「書く力」で子供を伸ばす(2) 書ける!マインド確立法

関西学院初等部教諭 森川正樹

「書ける!」マインドを確立するには

子供たちが「書けない」状態に陥ってしまう要因は、「自分は書けない」という苦手意識、そして「書くことは厄介だ」という思い込みである。そこで、まず子供たちの中に「書ける!」マインドを育む必要がある。

前回、クラスの状態を以下のように大別した。

①半数あるいは半数以上が「書くこと」に抵抗あり

②一部「書くこと」に抵抗あり

③おおむね「書くこと」に抵抗なし

では、①~③のクラスの状態に合わせた方策を見ていこう。

①半数あるいは半数以上が「書くこと」に抵抗あり……のケース

一番大切なのは「書けたという事実を残す」こと。書くことに苦手意識のある子には、できるだけ早くから書けた事実を積み重ねさせ、それによって「書けるかも」「書くのって楽しい」と思わせることである。そのためにも文章にはこだわらないこと。最初は言葉(単語)レベルの活動を組む。

◇国語辞典の中の「あ」の付く言葉を集めよう

◇身の回りの音を書き出してみよう

◇人物や動物の写真やイラストを示し、「吹き出し」を書かせる

このようなテーマで活動させる。同時に、書かせる用紙にも気を配る。書くことが苦手な子が多い場合、最初ははがき大サイズの用紙を準備する。はがきサイズなら、国語辞典から「あ」の付く言葉を抜き出して書けば、すぐに紙面は埋まる。自分の字で紙面が埋まった経験が少ない(あるいはない)のが、書くことに苦手意識を抱えている子の実態である。用紙のサイズを小さくし、言葉レベルの書ける題材で事実を残す。そしてそのまま②の方策へと移る。

②一部「書くこと」に抵抗あり……のケース

この場合、とにかく「楽しく」書かせる。一番適しているのは、教師がお題を出して書かせる短作文や日記である。例えば「空の色はなぜ青色なのかな?」「幸せ~って思うのはどんなとき?」「私の最高の思い出は?」のように、子供たちが取り組んでみたくなるようなお題を与えて書かせる。そこに答えや正解はない。楽しく書く作業を繰り返し、「書き慣れ」させていこう。

③おおむね「書くこと」に抵抗なし……のケース

学年持ち上がりのケースなどである。最初は②の楽しく書けそうなテーマで書かせてみて、その後は早い段階で「授業の振り返り」に移行できる。授業の振り返りは、国語の学習に対する子供たちの態度を主体的で対話的なものにする。その振り返りを活用すれば、クラスとしての学びはより深まっていく。
クラスの状態に応じた「書くこと指導」。早いうちに、子供たちの中に「書ける!」マインドを確立したい。