学級問題を解決する エンカレッジシート(7)いじめ問題の留意点

北海道公立学校スクールカウンセラー 青沼 眞弓

いじめ問題に対してエンカレッジシートを実施する場合、教師が完全に被害生徒を把握していることを条件とする。加えて、実施時期といじめの対象となった生徒への配慮が必要である。

実施時期は、「落書き」「靴・他の紛失」「いじる」「からかう」「体を使った遊びで絡む」など早期段階での活用が有効だ。また、当事者間の個別指導や学級の全体指導を終えても問題が繰り返されるなど、被害生徒へのいじめが解決されない緊急時の解決法としても活用されてきた。

事例報告によると、いずれのケースでも一度の実施で問題行動やいじめ問題が消失している。

◆いじめの対象となる生徒が登校している場合

事前にエンカレッジシートの実施を知らせ、学級で一斉の実施に参加するか、または別室がよいか意向を確認する。事前に知らせて希望を聞くことで、安心感と参加する勇気が喚起される。これまでの早期段階の事例では、一斉の実施に参加したケースが報告されている。

◆いじめの対象となる生徒が登校していない場合

家庭訪問や保護者が来校した際に、まとめの掲示を写真などで見せ、エンカレッジシートの取り組みを知らせる。また、勇気づけの言葉をまとめた一覧や学級通信を見せる。この配慮によって被害生徒と学級のつながりが深まり、学級への信頼が増し、登校のきっかけとなったケースがある。

いじめ問題で使用するエンカレッジシートは、④「勇気づける言葉」の「問題を起こした人へ」と「学級のみんなへ」に加えて、「問題を受けた人へ」の項目が入る。学級の仲間としてのつながりを深め、問題解決の機会をつくる目的がある。

以下、いじめ問題で実施した際の生徒たちの勇気づけの言葉を紹介する。

・ショックだと思うが、これからは明るく元気に過ごそう。

・勇気を出して、やめてくれと言うのがいい。

・やめてって、いやだって言ったらいいと思うよ。それでもいじめがあるのならほっとけばいいし、友達や先生、お母さんとかに話すとスッキリしていいと思うよ!

・いじめた人に自分から勇気を出してはっきりとやめてといわないと、いじめは終わらない。

エンカレッジシートの実施を通して、生徒が学級や学校で起きているいじめ問題に向き合い、本音で確認し合うことができる。それによって相手の立場で考え、互いを思いやる心が育つのだ。

あなたへのお薦め

 
特集